オウィディウス「黒海からの便り」
平凡社「世界名詩集大成(1) 古代・中世篇」より、オウィディウス「黒海からの便り」を読みおえる。
5月18日の記事(←リンクしてある)、同・詩人「名婦の書簡」に続く。
ローマで名声を得ていた彼が、アウグストゥス帝の怒りに触れ、黒海辺のトミス(今のルーマニアのコンスタンツァ)に追放され、嘆きの詩を作った。「哀しみの歌」「黒海からの便り」「イービス」の詩集等にまとめられたとされる。
ここでは、「黒海からの便り」(全4巻、数10編)より、6編が訳されている。妻や友人に宛てられていて、生活の不如意、許されて故郷へ帰る願い、さらに詩興の衰えなどを訴えている。
彼は結局許される事なく、流謫の地で没した。彼の詩は、ヨーロッパ文学に大きな影響を与えて来たとされる。
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