浅野美紀「木犀の道」
2011年9月、砂子屋書房・刊。
管理画面で記事検索した所、彼女の第1歌集「嫩葉」を読んでいた。2013年4月10日の記事(←リンクしてある)にアップしてある。
彼女は、「未来」会員、ただしこの歌集の短歌は、無選で掲載されたもの。
想像の(と推測される)恋歌や、レトリックの勝った歌もある。
子供さん(一人息子?)が、社会人として巣立ったことは喜ばしい。
以下に6首を引く。
まどろめば窓辺はいつか夕映えて青林檎ひとつ照らされている
新涼の雲の動きを映しつつカップの紅茶冷めてゆくとき
夫と子にバレンタインのケーキ焼くキッチンの窓粉雪舞う日に
若葉揺れる五月を歩む君を待つ光と影のいくつの扉
明けがたの激しい雨に目を覚ます水底に潜む魚の気分で
気象台の標準木のかえでの葉色付かぬまま立冬となる
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