« 「その一集」読了 | メイン | 「ワシントン航空宇宙博物館」 »

2014年12月 7日 (日)

斎藤史「風に燃す」

 大和書房「斎藤史全歌集」(1998年5刷)より、第7歌集「風に燃す」を読みおえる。

 第6歌集「密閉部落」は、先の11月21日の記事(←リンクしてある)で、紹介した。

 原著は、1967年、白玉書房・刊。1959年~1966年の、あしかけ8年の632首を収める。

 彼女は、1962年(53歳)、主宰誌「原型」を創刊し、「短歌人」を退会した。

 信濃に永住を決め、不利を有利に転換し、年齢的充実もあっての、「原型」創刊だったと思われる。

 信濃の風物、人情、自身が主観性強く詠まれている。

 以下に6首を引く。

あたたまり眠らむとしてつぐ梅酒に杏仁うすく匂ふことあり

衰残をみづから言へる人とゆく同じみぞれにたたかれながら

行く方(かた)を遠く持ちたれば山国の河しあはせに走りて止まず

とりかへしつかざる生(せい)のため叫ぶケージの中に産むめん鶏ら

凍らむとする水道の水うけて飲めばつらぬく冬のさびしさ

若き日のいく年暗く毟(むし)られて帰り来し娘と行けば 風花

 注:1部、旧漢字を新漢字に替えた所があります。

Photo「フリー素材タウン」よりのシクラメンの写真を、トリミングした1枚。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/33080375

斎藤史「風に燃す」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート