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2014年12月14日 (日)

阿波野青畝「春の鳶」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、7番目の句集、阿波野青畝「春の鳶」を読みおえる。

 先の11月22日の記事(←リンクしてある)、水原秋桜子「残鐘」に継ぐ。

 原著は、1952年、書林新甲鳥・刊。1946年~1951年の312句を、作年順に収める。

 阿波野青畝(あわの・せいほ、1899年~1992年)の第3句集である。「戦時中の句は散逸してしまった」としていたそうだが、そのような言が通る現代ではない。

 敗戦の痛手から立ち直る時、寺門への親密さをきっかけとしているようだ。ただし信仰のない僕には、ポイントにならない。

 以下に5句を引く。

早春の鳶を放ちて宝寺

安居尼大きな寺を委されし

螢にもある物語旅に聞く

宝冠のごとくに枯るる芒かな

咳く人に電光ニュース走りをり

Photoダウンロード・フォト集より、雪景色の1枚。

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