« ミニ薔薇1輪 | メイン | 岡本かの子「巴里祭」 »

2015年1月 7日 (水)

斎藤史「昭和51年作品」

 大和書房「斎藤史全歌集」(1998年5刷)より、「昭和51年作品」を読み終える。

 昭和42年から昭和50年の作品を収めた、昨年12月23日に紹介した歌集「ひたくれなゐ」(←リンクしてある)と、次の昭和52年から始まる歌集「渉りかゆかむ」の間にあって、単行歌集に収められなかった45首である。

 短歌の数は少ないが、この中には夫の死と、老耄を深める母が詠まれている。

 斎藤史はこれまで、全く夫を詠まなかったようだ。明治生まれの女として、軍人の娘として、婿取りの娘として、などがあったのかも知れない。しかし夫には、経済的にだけでなく、精神的に頼る部分もあっただろうと、僕は考える。

 以下に4首を引く。

ひとついのちここに終りし空間の奇妙に明るき空(あき)ベッドあり

痩せ果てて冷えしなきがらさぐり泣く老母(はは)に来る死も遠くはあらず

今日や限りあすや終りと目守りつつ思ひ慣らし来ぬ死のときを 死を

老醜の母を視てゐるかなしみと嫌悪のはざま夜の雨ふる

   (注:1部、旧漢字を新漢字に替えた所があります。)

Photo_2フリー素材サイト「Pixabay」より、ロウバイの1枚。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/33116627

斎藤史「昭和51年作品」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート