松本たかし「石魂」
角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、8番目の句集、松本たかし「石魂」を読みおえる。
昨年12月14日の記事(←リンクしてある)で紹介した、阿波野青畝「春の鳶」に継ぐ句集である。
原著は、1953年、笛発行所・刊。1941年~1948年の、541句を収める。
読んだ印象は、松本たかし(1906年~1956年)の衰えがあるように考えられる。
俳人としての初めての「読売文学賞」を受賞した。そうでなければ、この「大系」に残る事はなかっただろう。
また敗戦前の句を主にした「石魂」に、なぜ「読売文学賞」が与えられたか、僕には判らない。
以下に5句を引く。
春ゆくにまかせ百日紅芽ぐむ
星涼し道に聞こゆる旅芝居
敷石に古瓦古陶あり花楓
長閑さにまだゐる鴨や浦戸湾
蚊帳除(と)れて黍の葉擦に寝る夜かな
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