« 「COSMOS集」と「新・扇状地」 | メイン | 斎藤史「渉りかゆかむ」 »

2015年1月17日 (土)

加藤知世子「冬萌」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、9番めの句集、加藤知世子「冬萌」を読みおえる。

 1月9日の記事(←リンクしてある)、松本たかし「石魂」に継ぐ。

 原著は、1953年、書肆ユリイカ・刊。1941年~1953年までの、466句を収める。

 加藤知世子(1909年~1986年)が俳人・加藤楸邨(1905年~1993年)と結婚した頃、夫は家族・肉親10名を抱えた苦学生の家長で貧しく、戦争激化で食べるものに苦労し、戦後は夫が何度も病いに倒れて差押えの税吏も呆れる赤貧だった。(月報の加藤知世子「『冬萌』の頃」・他に拠る)。

 彼女の句は激しく、鮮新であり、時に字余りともなる。

 以下に5句を引く。

泣くまじく寒木の嵐暮れかかる

足袋に継あてて帰省も爆音下

振向きし蟷螂の目は燈の色に

虎落笛嫁が泣く場は詩の中

大年の悔にも似たる芥焚く

Photoフリー素材サイト「足成」より、南天の1枚。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/33128383

加藤知世子「冬萌」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート