岡本かの子「巴里祭」
Google Play ブックスよりタブレットにダウンロードして、岡本かの子(1989年~1939年)の小説、「巴里祭」を読みおえる。
昨年12月24日の記事(←リンクしてある)で、「老妓抄」を紹介して以来である。こうして読む彼女の小説も5作めとなる。
岡本一平・かの子・太郎の家族は、1929年~1932年にヨーロッパ外遊(太郎は美術の勉強のためフランスに残る)をしており、その時の経験を生かした作品と思われる。
パリに来て16年、追放人(エキストパリエ)と自嘲するにさえ飽いた主人公、淀嶋新吉に、日本から手紙を寄越した妻、遊び女リサ、服飾家ベッシェール夫人、田舎娘、などが絡んだ、巴里祭(7月14日、中流・上流の人たちは避暑に出掛けている)の1日とその前後を描く。花やかで寂しい情景である。ハッピーエンドにはなっているけれども。
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