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2015年4月 6日 (月)

服部真里子「行け広野へと」

Cimg8330 購入を3月31日の記事(←リンクしてある)で報せた、服部真里子・第1歌集「行け広野へと」を読みおえる。

 2014年9月、本阿弥書店・刊。

 19歳~27歳の、青春真っ只中の289首である。

 若い新人に多い(?)、「光」への固執は少ない。

 句またがり、句割れ、1字空けは当然のように受け継いでいる。暗喩の歌も多い。

 若さと才能の乱費であろう。

 それも将来の何かを犠牲にして。例えばこの歌集に「子を産まぬ予感はときに幸福に似て」の下句の1首がある。

 彼女の、このきらめきの未来を、見守って行きたいと思う。

 以下に6首を引く。

春に眠れば春に別れてそれきりの友だちみんな手を振っている

人の手を払って降りる踊り場はこんなにも明るい展翅版

花曇り 両手に鈴を持たされてそのまま困っているような人

海を見よ その平らかさたよりなさ 僕はかたちを持ってしまった

遮断機は一度に上がり少年よこれがお前の新しい本

遠雷よ あなたが人を赦すときよく使う文体を覚える

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