村野四郎「体操詩集」
僕が編集役をしている同人詩誌、「群青」を送らせてもらっている関係で、渡辺K氏より、貴重な本、「村野四郎全詩集」(1968年、筑摩書房・刊、限定1200部のうち954番)を頂いた。
2重函だが、外函は痛んでいるので、写真は内函である。
彼は高校文芸部の1年後輩で、今は曹洞宗の高僧になっている。高校生時代の僕が、村野四郎を褒めていたので、村野四郎の詩論集なども頂いた。
今の僕は、戦後「荒地」や「櫂」の詩も好き(だった)のだが。
僕が「体操詩集」を初めて読んだのは、創元社「現代日本名詩集大成」9巻だったと思う。このシリーズは優れており、取り上げる詩人の若干の詩集(村野四郎ならば「体操詩集」と「亡羊記」)を丸ごと収めている。
「体操詩集」は、戦前モダニズムの1つ、ノイエ・ザハリヒカイト(新即物主義)に拠っている。上昇のあとの落下(戦争の高揚と敗戦を予感した?)など、公式的に言えば、戦前の小市民の不安を描いて、記念碑的な詩集である。
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