上村占魚「橡の木」
沖積舎「上村占魚全句集」(1991年・刊)より、第6句集「橡の木」を読みおえる。
今月4日の記事(←リンクしてある)、「萩山」に継ぐ。
原著は、1972年、みそさざい社・刊。
1966年~1969年の、自選680句を収める。
「後記」で、徹底して基礎を実行して、思いがけず幽玄、象徴の句をわずかながら得た旨を、述べている。
句集の後期の作品に、それらしい作品がある(引用句がそれらとは言えない)。これ以降の句集が、楽しみである。
以下に5句を引く。
湯浴み寝しぬくとさ木の芽雨となる
岬覆ふ大夕焼といふしじま
あるだけの酒くみ寝(い)ぬる雨月かな
目をとほす添削句稿初仕事
炬燵して塵づく書斎年暮るる
(注:1部、旧漢字を新漢字に替えた所があります)。
フリー素材サイト「Pixabay」より、バラの1枚。
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