干刈あがた「十一歳の自転車」
干刈あがた(ひかり・あがた、1943年~1992年、享年49.)の短編小説集「十一歳の自転車」を読みおえる。
ここで取り上げた彼女の小説は、2013年9月28日の記事(←リンクしてある)、「黄色い髪」のみである。
「十一歳の自転車」(集英社文庫、1991年・刊)には、21編の<物に関わる>小説を収めている。初めから「十一歳の自転車」「秋のサングラス」~終いの「青いヘルメット」に至るまで。
短めの短編小説、長めの掌編小説、という感じで読める。
例外を除いて、ほとんど庶民・弱者の世界を描く。
単行本の刊行が1988年なので、バブル末期と思われ、まだ多くの者を救えるという思いがあったのだろう。
それ以降(アベノミクスの恩恵を受けず)の世界では、猟奇的な、悲惨な事件も起きている。彼女の闘士ぶりを、もっと見たかった。
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