干刈あがた「ゆっくり東京女子マラソン」
昨日の記事で入手を報せた3点のうち、干刈あがた「ゆっくり東京女子マラソン」を読みおえる。
福武文庫、1986年・刊。
本代をケチったら、本文にヤケが強かったが、へこたれる僕ではない。
彼女の小説の紹介として、7月11日の記事(←リンクしてある)、「十一歳の自転車」に継ぐ。
小学3年生のしまいの父母会(?親と担任教師の集い)で、4年生のクラス委員に選ばれた4人の母親の、闘い(おもに不熱心な教師に対して)と友情、各家族とのつながりを、熱く描いている。
「東京女子マラソン」のテレビ中継を観つつ、シングルマザーの結城明子が感情をオーバーヒートさせての短い演説(ただ一人の聴衆、二人子の兄の健一は迷惑がり、少し惹かれて、すぐ無視した)は、名言である。読む値打ちがある。
この小説の他に、「月曜日の兄弟たち」という、短めの小説を併載する。短く書くと、学生時代の思い出の地を、離婚後に訪れた友子の、回想と感慨の物語である。
僕の文庫本棚に「ウホッホ探検隊」を見つけたので、これも読んでゆきたい。
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