« 角川「短歌」9月号・Kindle版 | メイン | ミニ薔薇2輪 »

2015年8月27日 (木)

村野四郎「故園の菫」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、第5詩集「故園の菫」を読みおえる。

 先の8月21日の記事(←リンクしてある)、同「珊瑚の鞭」に継ぐ。

 原著は、1945年(昭和20年)1月、梧桐書院・刊。

 弟の戦死を悼んだ「海の声」では、「おまえの血が どんなに美しく/鉄の甲板を流れたであろう/おまえの血が どんなに輝きながら/海へ滴りおちたであろう」と戦闘死を美化している。

 「春の尺牘(てがみ)」では、「ああ 大東亜の広袤を/僕たち 若い友情のリボンで結ぶ/そのよろこびで/僕はうっとりしている」と侵略の美化に酔っている。

 また1944年3月の「珊瑚の鞭」に続く詩集発行で、敗戦近く続けて出版できたのは、理研コンツェルンの重役だった立場も役立っただろう。

 原本にあたっていないのだが、これらの時期の詩が旧かなでなく、新かなになっているのも、不審である。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、ブドウの1枚。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/33535407

村野四郎「故園の菫」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート