« 「その一集」読了 | メイン | 支部9月歌会 »

2015年9月13日 (日)

村野四郎「予感」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、第6詩集「予感」を読みおえる。

 先の8月27日の記事(←リンクしてある)、同「故園の菫」に継ぐ。

 原著は、1948年、草原書房・刊。17編を収める。

 その「小序」で彼は、「戦争は、べつに私の詩をもえたたせなかった。戦後の平和も、とくべつにそれを燃えあがらせることはなかった。」と述べている。彼が翼賛詩の多くを書いたことは消せない。

 彼が戦時中にファナティックでなかったとして、戦後の自由と民主も信じなかった。彼が信じたのは、資本の論理であろう。資本の側に立ち得、家族と共の裕福な生活が彼の願いだったろう。

 そして抒情の欲求を満たすために詩を書く。彼の嘔吐感は、そのギャップに拠る。

 彼が戦後詩に残した罪は、深いのだ。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、栗の1枚。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/33570245

村野四郎「予感」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート