清水基吉「寒蕭々」
角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、二番めの句集、清水基吉「寒蕭々」を読みおえる。
先の9月26日の記事(←リンクしてある)、安住敦「古暦」に継ぐ。
原著は、1954年、白桃社・刊。287句。
清水基吉(しみず・もとよし、1918年~2008年)は。前の安住敦と同じく貧しかったが、職を転々としたのではなく、文筆(小説を含む=芥川賞・受賞)で生活しようとしたからである。のちに電通に勤めた。
貧の中の結婚と子を描いて、清澄である。
以下に5句を引く。
春泥や師の家を出て渋谷川栗剥くや食はすや恋も古びたり
玉の露呼べば応へて妻そこに
栗の花こぼるゝ妻に髪刈らす
貧の中火蛾に抱く子が笑ひ出す
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