清崎敏郎「安房上総」
角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、5番めの句集、「安房上総」を読みおえる。
今月11日の記事(←リンクしてある)、大場白水郎「散木集」に継ぐ。
原著は、1954年、若葉社・刊。
「安房上総(あわかずさ)」には、清崎敏郎(きよさき・としろう、1922年~1999年)の、1940年~1953年の333句を収める。
師・富安風生(この大系の監修者の1人)の長々しい序文が、虚子を真似たか、嫌味である。
敗戦を挟んだ句を、同列に収めた事にも、疑問がある。
以下に5句を引く。
桑は実に小学校は農休み
百姓の閾居の高く鳳仙花
くらがりに鮑を生けて祭宿
網干せば夏草の色濃くなんぬ
ドアしめてよりのひとりの春灯
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