赤城さかえ「浅蜊の唄」
角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、7番めの句集、赤城さかえ「浅蜊の唄」を読みおえる。
今月9日の記事(←リンクしてある)、飯田龍太「百戸の谿」に継ぐ。
原著は、1954年、書肆ユリイカ・刊。630句。
赤城さかえ(1908年~1968年、享年59.)は、東京帝大の学生の頃、共産党地下活動に参加し退学。結核病に苦しみながら戦後に共産党に入党、俳句評論・創作・実践に活躍したが、直腸癌のため早逝した。
戦時中の転向が、「人間的な誠実さを示し」、左翼公式主義に対したとされる。
以下に5句を引く。
管制の灯に読む凍つる闇を背に
寒ひでり飢ゑはこの家に遠からず
月下にて別れの寒き語を二三
生か死のみ我慢強しなどゆめ言うな
梅雨をたゝかう乙女等すでに泣き易く
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