サスケの本棚

　庭で黄木蓮の花が咲いている。苗木をうえて十数年か、かなりの大木になってたくさんの花をさかせる。赤花姫辛夷を除いて、紫、白、赤、ピンク、黄、と５種類ある木蓮のうち、黄木蓮が１番遅く咲くようだ。

　桑原正紀氏が歌集「妻へ。千年待たむ」を送って下さった。

　新潮社「世界詩人全集」２「バイロン詩集」（阿部知二・訳）を読み終える。高校生時に新潮文庫「バイロン詩集」（阿部知二・訳）を読み、数年前に冨山房の完訳「ドン・ジュアン」を読み、最近、岩波文庫の「マンフレッド」と「海賊」を読んでいる。

　「世界詩人全集」版と新潮文庫版の「バイロン詩集」は同じ阿部知二訳で、文庫版の旧かな・古典文法を現代風に直しただけの訳が多い。また「マンフレッド」全訳を除けば、文庫版の方が作品数が多い。

　それでも「近代的自我の生成」などという解説を読みつつ、「世界詩人全集」版の「バイロン詩集」を刺激を受けながら読んだ。バイロンの詩は、すでに古典であろう。

　庭ではツツジが花盛りである。赤、白、ピンクの３種しかないが、取り木で増やしたので、庭のあちこちに咲いている。親株は植えてより３０年以上経っており、大株である。

　写真を掲載できると良いのだが、デジカメを正月に帰省した息子が持って行ってしまったので、それができない。またデジカメを買える日まで待たねばならない。

　勝山市にある福井県立恐竜博物館へ午前中に行ってきた。ゴールデンウィーク中の唯一の行楽である。妻の車、妻の運転で。ここを訪れるのは３回目だし、恐竜の骨格標本はほとんどレプリカなので、展示品はささっと見て、お土産店で目当ての、虫入り琥珀を買った。小さいもので宝飾用ではないので、もちろん安価な品である。家に帰って、ルーペで覗くと、形のよい虫が入っていた。１回目には小さいアンモナイト化石を、２回目には恐竜の歯の小さい化石を、妻に買って貰った。琥珀は自費、おまじない用である。

　「歌壇」５月号を読み終えた。

　「ブックオフ」にて「世界の名著」（中央公論社）３１「アダム・スミス」と、フランコ・サケッティ作/杉浦明平訳「ルネッサンス巷談集」（岩波文庫）を買った。

　「世界の名著」は「続」をふくめて揃うまであと７冊である。マニアックな古書店やネット古書店にはそれらが出ているが、全集端本を高価に買う訳にはいかず、「ブックオフ」「ブックマーケット」で１冊１０５円かそれ以下で買ってこそ、端本で揃える楽しみがある。そのために「世界の名著」に１枚ずつ付いている目録の１枚を、未だ買っていない本に印しを付け、持ち歩いている。ただし「世界の大思想」を揃いで買った時に、内容の重複している「名著」の方を売ってしまっていて、今それらも買い集めている。それがなければ或いは現在、「世界の名著」が揃っていたのではないか、愚かなことをしたと後悔している。

　文庫本の古本を買うときにいつも思うのだが、すでに手許にあるのではないかという疑いが湧く。手許の文庫本を全部覚えているわけでなく、またじっさいに重複して文庫本を買ったことが２、３度あるからである。

　季刊同人誌「棧橋」№９０を読み終えた。短歌作品を主にして、散文は飛ばしたものもある、済まないけれど。

　「山崎方代全歌集」（不識書院）が届いた。長いあいだ探し続けていて、先日、古書店ネット連合「日本の古本屋」からようやく１冊を見つけ、少し高価なので半日の逡巡ののち註文した本である。あるいは僕の探し方に間違いがあったのかもしれない。

　「資料編」では１ページに１３首が載っていて、これくらいが１ページに載せる歌数の限度であろう。僕の持っている「若山牧水全歌集」では１ページに２０首が載っていて読みづらく、余韻を感ずるどころではない。１度読み始めたのだが、頓挫してしまった。その点、柊書房の「安立スハル全歌集」や作品集シリーズは載せ方に余裕があって、楽しく読める。

　歌誌　「コスモス」５月号を読みおえる。初めから「ＣＯＳＭＯＳ集」までと「扇状地」など、ほかにもちらちらと目を通す。

　２ケ月ほど、特選欄だけを読んで、読書時間の節約を試みたがいけない。結社のたくさんの短歌を読むことで、仲間意識が湧き、人生を教えられたり老後の覚悟を得たりする。