牧羊社「現代俳句選集Ⅵ-12」藤岡晴丘・句集「白露」を読みおえる。
平成2年・刊。219ページ。
箱、帯、本体にビニール・カバー。
著者は、東京都・在住、「雪解」同人。
彼の句には、重量感がある。内容が重いのでも、言葉が重いのでもなく、句風がどっしりとしているのだ。
俳句の世界には詳しくないけれども、俳人格というものだろうか。
以下に6句を引く。
牡丹の息づきもなく菰に入る
手を外れしより綿虫の浮きしづみ
遠き忌をあはせまつりぬ菊日和
明日あればなべてをゆだね蒲団被る
糶市を見る踏み処なき鱈の中
穴を出し蟇おほかたは旧知の徒
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