オリガ・クニッペル「夫 チェーホフ」
1979年、麦秋社・刊。
小型本で、箱入り、本体にパラフィン紙カバーと、瀟洒な造りの本である。
チェーホフの妻であり、女優だった、オリガ・クニッペルの回想記、臨終を看取った記録、亡き夫への手紙、3種の文章を収める。
その中で、度々の別居なども、チェーホフも望んだ事で、夫婦仲は悪くなかったと、述べている。
「チェーホフ全集」(全何巻なのか、いま確認できない)の第9巻の巻頭、「妻」という短編小説で、この全集の読書も止まっているが、この中の知識人同士の夫婦(実際は、芸術家同士の夫婦)の、不一致による惑乱が、庶民には白々しくて、共感できなかった。
チェーホフ夫妻にも、つよい葛藤のあったことは、想像される。
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