籾山梓月「冬鶯」
籾山梓月(もみやま・しげつ)の句集、「冬鶯」を読みおえる。
角川書店「増補 現代俳句大系」第2巻(昭和56年・刊)より。
原著は、昭和12年、籾山書店・刊。
全233句を収める。
解説で草間時彦が、「古俳諧に遊び…現代俳句とは縁遠い」と述べて、この大系に収められた事は意義が大きい、とする。
しかし短歌の世界に関わっている僕には、古さは感じられない。「万葉集」中の枕詞などの古語を、今も使う歌人がいる世界だから。
以下に5句を引く。ただし前書きは、すべて省いてある。
何事も堪忍したる寒さかな
袖口も裾もきれつゝ年の暮
夏の日や麦落雁を袂菓子
山茶花のかたき莟にわかれかな
おほよそに略して年をむかへけり
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