「ギルガメシュ叙事詩」
今年10月27日の記事、「約束通りの2冊」で紹介したうち、「ギルガメシュ叙事詩」を読みおえる。
矢島文夫・訳、ちくま学芸文庫、2008年11刷。
主となるテキストの欠落を他のテキストで補って、なお不明部分が多い。
全体で約3600行あったと推定されるうち、約半分しか残っていない。
英雄のギルガメシュとエンキドゥが協力して、森に住むフンババと戦って倒す部分が、メインのストーリーと思われるが、その叙述は簡略で、ここでも大きな欠落がある。
そして後日譚と思われる部分が長く、テキストも整っている。
物語として不完全だが、メソポタミア文明時代の英雄譚(神々の物語ではなく、この2英雄は死ぬ)として貴重である。
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