川端茅舎「白痴」
角川書店「増補 現代俳句大系」第4巻(昭和56年・発行)より、8番めの句集、川端茅舎・第3句集「白痴」を読みおえる。
原著は、昭和16年、甲鳥書林・刊(昭和俳句叢書の1冊として)。
「大系」第1巻に収載の、彼の第1句集「川端茅舎句集」については2010年8月21日の記事 に、第3巻に収載の、第2句集「華厳」については2011年5月18日の記事に、それぞれ感想を述べてある。
句集「白痴」の頃、茅舎の肺結核が重態になり、句集発行の17日後に逝去している。
昭和15年・結成の「日本俳句作家協会」が、昭和17年には「日本文学報国会・俳句部会」に移る時代に、無用無為の病人の自覚から、非戦吟を続けた俳人である。
以下に5句を引く。
菊日和道を放射に環状に
わが咳くも谺ばかりの気安さよ
汗たぎちながれ絶対安静に
好きといふ露のトマトをもてなされ
冬晴をまじまじ呼吸困難子
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