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2012年4月28日 (土)

佐野青陽人「天の川」

 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第4巻(昭和56年・刊)より、13番めの句集、佐野青陽人(さの・せいようじん)の「天の川」を読みおえる。

 原著は、昭和16年、曲水社・刊。

 師・渡辺水巴(俳誌「曲水」)の序文、「序にかへて」の自句1句、大正12年~昭和16年を3期に分けての293句、後記を収める。

 俳号には謡からの意味もあるが、「西洋人」のもじりの意味もあり、戦前の1時期にアメリカ人の経営する米国貿易会社に勤務した事による。

 その時期の経験に由ってか、翼賛的な吟を作さなかった。

 以下に5句を引く。

更くる夜のおとがひまろき雛かな

別るゝもまた愉しげの雛かな

うつむいて菊に触れたり角かくし

大夕立乾きし砂の円覚寺

蛾を食みし蜥蜴熱砂に口拭ふ

Phm02_0063
写真は、記事と無関係。ダウンロード・フォト集より。

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コメント

さすらい様、コメントを下さり、ありがとうございます。
ブログを続けていると、このような出会いもあるものですね。

祖父の句を読んでいただき、ありがとうございます。
青陽人の由来は、宝生流の謡曲をしていた関係で、謡曲「鶴亀」の冒頭に出てくる♪それ青陽の春になれば・・から青陽をとったものです。
戦後も貿易会社に勤務し、69歳で亡くなりました。

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