佐野青陽人「天の川」
角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第4巻(昭和56年・刊)より、13番めの句集、佐野青陽人(さの・せいようじん)の「天の川」を読みおえる。
原著は、昭和16年、曲水社・刊。
師・渡辺水巴(俳誌「曲水」)の序文、「序にかへて」の自句1句、大正12年~昭和16年を3期に分けての293句、後記を収める。
俳号には謡からの意味もあるが、「西洋人」のもじりの意味もあり、戦前の1時期にアメリカ人の経営する米国貿易会社に勤務した事による。
その時期の経験に由ってか、翼賛的な吟を作さなかった。
以下に5句を引く。
更くる夜のおとがひまろき雛かな
別るゝもまた愉しげの雛かな
うつむいて菊に触れたり角かくし
大夕立乾きし砂の円覚寺
蛾を食みし蜥蜴熱砂に口拭ふ
さすらい様、コメントを下さり、ありがとうございます。
ブログを続けていると、このような出会いもあるものですね。
投稿: 新サスケ | 2013年2月23日 (土) 04:50
祖父の句を読んでいただき、ありがとうございます。
青陽人の由来は、宝生流の謡曲をしていた関係で、謡曲「鶴亀」の冒頭に出てくる♪それ青陽の春になれば・・から青陽をとったものです。
戦後も貿易会社に勤務し、69歳で亡くなりました。
投稿: さすらい | 2013年2月21日 (木) 04:25