「鈴木花蓑句集」
角川書店「増補 現代俳句大系」第6巻(昭和56年・刊)より、3番めの句集、「鈴木花蓑句集」(遺句集)を読みおえる。
原著は、昭和22年、笛発行所・刊。
高浜虚子・序、876句、柏崎夢香・後記。
先の1月3日付け記事で紹介した、上村占魚・句集「鮎」に続く句集である。
鈴木花蓑(すずき・はなみの、1881~1942)は、俳誌「ホトトギス」で大正10年~昭和初頭にかけて、「花蓑時代」と呼ばれる活躍をした。
妻と死別・再婚、長男の若い死去など、家庭に恵まれず、仕事にも恵まれなかった。
自選の句稿は著者の没後、紆余曲折があって、俳人の友人たちの「花蓑句集刊行会」による努力で、刊行された。
句集は句を春夏秋冬・新年に分け、さらにその中で季題別に分け、1句ごとに年を付した編集になっており、やや読みづらい。
以下に5句を引く。
うらゝかや空に留まれる気球船
蒔くところありて朝顔蒔いて置く
明け易き一夜一夜の茄子漬
ふるさとに墓あるばかり盆の月
桐畑それも景色や雪のふる
なお付けられている年別は省いた。
本文と無関係。
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