日野草城「転轍手」
沖積舎「日野草城全句集」(1996年・刊)より、第4句集「転轍手」を読みおえる。
10月31日の記事(←リンクしてある)で紹介した、第3句集「昨日の花」に継ぐ本である。
原著は、1938年、河出書房・刊。681句(全句集版では改訂句を付して)。
新興俳句運動に活躍した時期である。小説の新感覚派などと共に(時期はずれるが)、モダニズムの1つと思われる。
以下に5句を引く。歌集よりは7、8首を引くのに、句集よりは5句しか引かないのは、詩歌に比べて、僕の理解力が足りないからである。
サイネリア花たけなはに事務倦みぬ
眼をとぢてむかしの恋にあたゝまる
夜半の冬別の心音深き処(と)に
身辺に妻あり子あり秋夜病む
珈琲を吾が飲めり兵は泥水を
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