詩誌「アリゼ」第157号
同人詩誌「アリゼ」第157号(2013年10月31日・発行)を読みおえる。
兵庫県・在住の詩人をおもな同人とするが、関西在住の方のほか、埼玉県、和歌山県に在住の方もいる。誌末の名簿に拠ると、同人30名、寄稿者2名である。
隔月刊で、粘り強い歩みを続けている。
目次の題名を見ると、キャッチーな題が多い。「カワラヒワが」「今を編みながら」「夕焼けいろの小ガニ」「ドーナツ考」「パズル」「相対性理論」等々。
2020年の東京オリンピック開催決定に触発されたのか、1964年東京オリンピックに触れる、T・和美さんの「十四歳」、M・真由美さんの「阪南横丁」がある。僕は田舎の少年で、建設ラッシュなど知らなかった。
F・優子さんの「夢の証明」が、夢の感覚をリアルに描いている。最後の5行を引く。
夢の証明
F・優子
(前略)
たぶん わたしたちが生きていくために
殺された感情や言葉の死骸が
昼間閉ざされた夢の通路に転がっていて
夜になると たったひとりの観客のために
淋しいショーを始めるのだろう
コメント