山口波津女「良人」
角川書店「増補 現代俳句大系」第8巻(1981年・刊)より、12番めの句集、山口波津女「良人」を読みおえる。
先月28日の記事(←リンクしてある)、野村泊月「定本 泊月句集」に継ぐ。
1951年、山口波津女句集刊行会・刊。
夫・山口誓子の序文、1928年~1950年の374句(制作年順)、年譜、後記を収める。
彼女は夫が「ホトトギス」→「馬酔木」→「天狼」と移るに従い、次第に句が先鋭化して行ったようだ。
山口波津女(やまぐち・はつじょ、1906年~1985年)にはこの後、「天楽」、「紫玉」の句集があり、没後の全句集も刊行された。(三省堂「現代俳句大辞典」に拠る)。
以下に5句を引く。
手毬つく髪ふさふさと動きけり
螢きて畳にひかりともしけり
天の川ながき手紙を書き終る
甘藷掘りしその夜の雨を聞きにけり
夫の手とわが胼の手と触(さわ)るとき
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