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2014年8月 9日 (土)

「渡辺白泉全句集」より(7)

 昨日に続き、「渡辺白泉全句集」より、7回めの紹介をする。

 自筆稿本「渡辺白泉句集」より、執筆禁止を命じられていた頃の句をまとめた、「欅炎集」と題された集である。

 古俳句を研究した系の「散紅葉」、応召中の「水兵紛失」に分けられる。

 水兵として応召した(その前に「損害保険統制会」に転勤したのは、前線に送られるのを避ける為だったか)が、日本の港を移動したのみで、大きな戦闘は無かったようである。

 以下に5句を引く。

  散紅葉

浅草に時雨れ居りとは誰知るや

紅梅やたゞまるかりし母の顔

焚火すや欅の炎二三枚

  水兵紛失

海兵に夏ゆふぐれのながさかな

玉音を理解せし者前に出よ

Photo写真素材サイト「足成」より、滝の1枚。

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