榎本冬一郎「鋳像」
角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、12番めの句集、榎本冬一郎「鋳像」を読みおえる
先の1月23日の記事(←リンクしてある)、杉山岳陽「晩婚」に継ぐ。
なお11番目の句集、日野草城「人生の午後」は、彼の全句集を読んで行った際、2013年12月3日の記事(←リンクしてある)で、第7句集として紹介した。
原著は、1953年、群蜂発行所・刊。
山口誓子・序、552句、あとがき、を収める。
榎本冬一郎「(えのもと・ふゆいちろう、1907年~1982年)は、30歳を越えて警察官となったが、48歳頃に大学事務局へ出向、定年まで勤めた。
庶民性、社会性をめざしての句作と言われる。
以下に5句を引く。
拳銃を帯びし身に触れ穂絮とぶ
メーデーの明日へ怒れるごとく訣る
浮浪児とともに夜寒の広場の石
籾殻が燃ゆる闇より農婦帰る
忰みて読むやこまかき法の文字
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