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2015年2月20日 (金)

小林康治「四季貧窮」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、13番め、最後の句集、小林康治「四季貧窮」を読みおえる。

 2月11日の記事(←リンクしてある)で紹介した、榎本冬一郎「鋳像」に継ぐ。

 原著は、1953年、一橋書房・刊。

 妻への献辞、石田波郷の序文、301句、石塚友二の跋文、後記を収める。

 小林康治(こばやし・こうじ、1912年~1992年)は、従軍、病気・帰還、戦災・敗戦により一切を失った。

 やや貧を衒っているようにも見えるが、戦後庶民の誰もが経験した事とされる。

 以下に5句を引く。

ふりかむる大槻芽立つ月夜かな

野の城や日あたりながら草枯れぬ

旅の果葎をしぼる秋の風

父の棺に跿きゆく冬田恥多し

氷柱なめて生涯の貧まぬがれず

Photo


フリー素材サイト「Pixabay」より、白梅の1枚。






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