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2015年3月 5日 (木)

近藤芳美「静かなる意志」

 岩波書店「近藤芳美集」第1巻(2000年・刊)より、第3歌集「静かなる意志」を読みおえる。

 2月23日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「埃吹く街」に続く。

 原著は、1949年、白玉書房・刊。約560首。

 著者の思いは様々に揺れながら、政治行動にはみ出す事はなかった。従軍経験と、家族(父母、仕事のない弟と同居して)を守ろうとする意識が、そうさせなかったのだろう。

 「あとがき」に拠れば、30代の歌人による「新歌人集団」の集まりがあり、「第二芸術論」等をも受け止める時代だった。

 以下に7首を引く。

手術せしまなこけはしくなりながら弟は又仕事失ふ

縫物をとどけに出づる妻のため己れ健かなれと思ひぬ

常の如夜となり集ふ女らのぬれたる橋のてすりに並ぶ

戦争の時を何して生きて来しきたなき自我を互ひに曝す

するどき声みな若し会なかば卑屈に仕事に帰る幾たり

聡明に耐へて行けよと思ふのみ静かに泣けば傍らに寝て

技術への愛情が最後に残ること信じて生きぬ希望なき日も

Photo

フリー素材サイト「Pixabay」より、連翹の1枚。

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