干刈あがた「ウホッホ探検隊」
福武文庫、1986年2刷。
彼女の小説集は、先の7月17日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「ゆっくり東京女子マラソン」以来である。
この本には、「ウホッホ探検隊」、「プラネタリウム」、「雲とブラウス」、「幾何学街の四日月」、4編を収める。
「ウホッホ探検隊」と「プラネタリウム」は、離婚した母親が、二人兄弟の子とともに、まっとうに生きようとする物語である。気を張り詰め過ぎて、時に神経症的になるくらいである。
この離婚家庭の理想を追い求める根源には、学生時代にユートピアを追い求めた、尾を引きずっているのだろうか。
このように良い人たらんとする姿勢は、長続きさせられなかったのか、干刈あがたは1992年に49歳で亡くなっている。
あとの2編を含め読みたい方は、本を買うなり借りるなりして、読まれたい。
なお写真は、文庫本の表紙である。
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