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2016年7月 2日 (土)

竹山広「千日千夜」

 ながらみ書房「定本 竹山広全歌集」(2014年・刊)より、第5歌集「千日千夜」を読みおえる。

 第4歌集「一脚の椅子」は、先の6月28日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 「千日千夜」は、1999年、ながらみ書房・刊。486首。

 阪神淡路大震災など時事を詠むのは、被爆、敗戦の体験を経て来ていることが大きいのだろう。

 生活詠が豊かだが、人生を振り返る詠も多くなる。

 以下に7首を引く。

居合はせし居合はせざりしことつひに天運にして居合はせし人よ

戦ひし十五年戦はぬ五十年過ぎて思へば是非あきらけく

若き死を羨みしことかつてなし力尽きはてて死ぬべきわれは

寝たきりになりて長生きする夫を死ねよと思はざるはずのなし

切支丹の芋喰らひよと嘲られことばなかりし少年も老ゆ

何をなし終りてそこに置かれたる電話の横のモンキースパナ

癒えて帰るわれを疑はず待ちくれし三千日のかけがへもなし

Photo「フリー素材タウン」より、蓮の1枚。

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