カテゴリ「歌書」の467件の記事 Feed

2015年11月19日 (木)

歌誌「コスモス」12月号

Cimg8614 1昨日(11月17日、火曜日)に、結社歌誌「コスモス」2015年12月号が届いた。

 「本年度後期の歌集・歌書批評特集」では、1冊が見開き2ページで批評され、15冊が取り上げられている。

 僕は詳しく読んではいないが、読んでみたい歌集が少しあり、Amazonで探してみたが、既に新本はなかった。古本でも買うべきか、悩んでいる。

 僕の歌は、半年ぶりの5首選(特選)だった。

 内容は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の11月18日付け記事(←リンクしてある)に、(横書きながら)アップしたので、ご覧ください。

2015年11月18日 (水)

「その一集」「あすなろ集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年11月号の、「その一集」と「あすなろ集」の通常欄(1人3首ないし4首)を読みおえる。

 特選欄は既に、ここで紹介している。

 今「その二集」の台湾と、北海道から南下して新潟県の途中だが、ここで勘弁して頂く。すでに次の号が届いている。

 「その一集」より1首。O・幸子さんの3首より。

認知症の免罪符もつ母なれば本音ぽろぽろ我はたぢたぢ

 本音は相手を困らせる場合がある。でもユーモアを持って対しているようだ。

 「あすなろ集」より1首。I・愛子さんの3首より。

電話線登りつめたる朝顔は何処へ伸びむか空に思案げ

 朝顔を擬人化するだけでなく、朝顔の様から人間を思っているようだ。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月13日 (金)

若山牧水「みなかみ」

 Kindle本「若山牧水大全」より、第6歌集「みなかみ」を、タブレットで読みおえる。

 今月3日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「死か芸術か」に継ぐ。

 原著は、1913年(大正2年)、籾山書店・刊。506首。

 牧水は父親重体の報を得て帰郷し、やがて父が亡くなる。1家でただ独りの男子の牧水に、1家の生活がかかるが牧水に方策はなく、苦悶懊悩の中に成された作品である。

 作品は、破調というより乱調の歌がほとんどで、定型の歌を見つけるのが難しいくらいである。その定型の歌より、以下に6首を引く。

草山に膝をいだきつまんまろに真赤き秋の夕日をぞ見る

父よなど坐るとすればうとうとと薄きねむりに耽りたまふぞ

おお、夜の瀬の鳴ることよおもひでのはたととだえてさびしき耳に

やうやくに馬の跫音のきこえきぬ悲しき夜も明けむとすらし

斯くばかり明るき光さす窓になにとて悔をのみ思ふらむ

酒の後、指にあぶらの出でてきぬ、こよひひとしほ匂へ朱欒よ

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月 6日 (金)

近藤芳美「祈念に」

 岩波書店「近藤芳美集」第4巻(2000年・刊)に入り、初めの第14歌集「祈念に」を読みおえる。

 先の10月7日の記事(←リンクしてある)、「聖夜の列」に継ぐ。

 原著は、1985年、不識書院・刊。591首。

 庭の四季と平安な夫婦、短歌の先輩・友人の死、母の死、スペイン旅行、残る政治的関心などが詠まれる。

 解説の道浦母都子が指摘する通り、字余りが多く、助詞の省略もあり、読みにくい歌もある。

 以下に7首を引く。

柿の葉の茂りは深き梅雨の冷えひとりの死ゆえ書きてこもる日を

君のための弔辞になおも告げむことば不意なる焦燥か怒りか知らず

ひかり放ちひらかむとする充実に月下美人の香は満ちわたる

なだれを呼ぶなだれのとよみなお遠く吾ら平安の夜を今とする

ブラックの一点を得しさきわいを知るやすらぎに日は過ぎめぐれ

若き日の母に返りし死顔のかく透きて人の苦しみは過ぐ

トレドより戻る野にして雨に遭うはるか地平を降りて移るまを

 5首めの「ブラック」は、フランスの画家である。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月 5日 (木)

角川「短歌」11月号・Kindle版

Kindle 角川「短歌」2015年11月号・Kindle版を、おおよそ読みおえる。

 巻頭作品31首では、尾崎左永子、岡井隆、2氏に信頼を寄せている。

 期待の「第61回 角川短歌賞 発表」は、清新な50首だった。阪大短歌会に属し、就職活動中の様子を描いている。

 ただし優れた50首を挙げているけれども、「新しい才能の出現!」という感じではなかった。寺山修司や中城ふみ子(古いね)みたいな天才が、毎年現れていたら、歌壇は天才歌人で溢れかえっていただろう。

 「選考座談会」の記事が、勉強になった。ただし副題に「他者と向かい合う歌」とある(若手歌人に向けた言葉だろう)けれども、仕事を辞して籠もりがちな僕には、籠もる秀歌もあるだろう、という気持ちになる。

2015年11月 3日 (火)

若山牧水「死か芸術か」

 Kindle本「若山牧水大全」の全歌集編より、第5歌集「死か芸術か」をタブレットで読みおえる。

 原著は、1912年(大正元年)、東雲堂書店・刊。388首。

 先の10月24日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「路上」に継ぐ。

 僕なら、「死か生か」「芸術か生活か」の対立項を考えるが、牧水は命懸けで芸術に向かうよりなかったのだろう。

 砒素を秘め持ち、行くでもない帰るでもない漂泊の旅のうち、死ぬ気も失せたようだ。

 以下に7首を引く

蒼ざめし額つめたく濡れわたり月夜の夏の街を我が行く

秋の入日、猿が笑へばわれ笑ふ、となりの知らぬ人もわらへる

かなしくも我を忘れてよろこぶや見よ野分こそ樹に流れたれ

あをあをと海のかたへにうねる浪、岬の森をわが独り過ぐ

友よいざ袂わかたむあはれ見よ行かでやむべきこのさびしさか

帰らむと木かげ出づれば、となりの樹、かなしや藤の咲きさがりたる

曇り日やきらりきらりと櫓の光りわがをち方を漕ぎゆく小舟

Photo_2フリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月 2日 (月)

「COSMOS集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年11月号の、「COSMOS集」を読みおえる。

 「COSMOS集」は、「あすなろ集」と「その二集」の特選欄である。

 「あすなろ集」より20名、「その二集」より12名が、特選各5首(稀に6首)が載る。

 名誉であり、昇級を助け、さらに特選に多く載る事によって、選者に名前と作風を覚えてもらえる。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。O・京子さん*(新かな遣いのマーク)の「プリクラ」5首より。

眠り入る幼の眼少し吊目なりこの世にいないばあさまに似て

 血の継承は怖く、また優しい事である。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年10月31日 (土)

「宮英子追悼特集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年11月号より、「宮英子追悼特集」を読みおえる。歌壇より、結社内より、多くの声が寄せられている。

 宮英子氏は、「コスモス」創刊者・宮師の夫人であり、宮師の没後、「コスモス」編集兼発行人となり長く務め、歌集11冊、各賞、他、歌人としても活躍し、今年6月に逝かれた。

 <宮英子さんを偲ぶ会>での岡野弘彦氏の献杯の辞、小野寛氏の言葉、遺族の方の挨拶をまず収める。馬場あき子、来嶋靖生、篠弘、佐佐木幸綱、伊藤一彦、日高堯子、永田和宏、香川ヒサ、池田はるみ、栗木京子、塩尻親雄、各氏の追悼文は、深い思いを籠めている。

 「宮英子作品七十首抄」(桑原正紀・選)、「歌との出会い」(宮英子「八十八夜詠」後記より)も重要だ。狩野一男・編「宮英子年譜」は、これからに渉って貴重である。

 「思い出の宮英子氏」では、「コスモス」内より15名が、思い出を振り返っている。

 また評論2編、桑原正紀「献身と自己解放」(副題「宮英子論Ⅰ(『婦負野』~『アラベスク』))、福士りか「寂しくて、そして華やぐ」(副題「宮英子論Ⅱ(『西域更紗』~『青銀色』))が、歌集に沿って評しつつ、力作である。

Photo

「フリー素材タウン」より、大菊の1枚。

2015年10月30日 (金)

角川「短歌」11月号・Kindle版

Kindle Amazonより、角川「短歌」2015年11月号・Kindle版を、10月26日に(発売は25日。今月は日曜日に当たるので、どうだったか)、Kindle for PCで購入・ダウンロードし、タブレットに同期した。

 価格が、670円より723円に値上がりしている。「角川短歌賞 発表」の増ページに拠るかと思ったが、旧・10月号も724円に値上げされている。ほぼ8%なので、今更だが消費税分という事か。

 初めから読み始めているので、まだ読んでいないのだが、「第61回 角川短歌賞 発表」が楽しみで、大いに期待している。

 電子雑誌の場合、ある部分を飛ばして読み、あとで戻る、という読み方が難しい。もちろん目次ページがあるので、そこから読みたいページへ飛べるのだけれども。メモを残す必要があるかも知れない、初心者の僕の場合は。

2015年10月28日 (水)

「その一集」特選欄・読了

 結社歌誌「コスモス」2015年11月号より、「その一集」の特選欄を読みおえる。

 9名の選者が、各5名を選び、各5首(稀に6首)を載せる。

 この特選欄は、名誉だけでなく、次の「月集シリウス」へ昇級するための基準(2年間に8回以上)ともなる。他に結社内外の短歌賞を得た場合も認められるが、共に非常な難関である。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。I・毅さんの5首より。

書斎なき<ジプシー歌人>きのふ居間けふはファミレスあしたはどこへ

 <ジプシー>の見做しが面白い。僕は、書斎(居間を転用)、応接間、寝室、パソコン室(広縁のような所)までありながら、大きな活躍を出来なくて恥じ入るばかり。

Photo「フリー素材タウン」より、懸崖菊の1枚。

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