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2009年3月の25件の記事

2009年3月 8日 (日)

詩誌「果実」61号

004  詩誌「群青」14号を送った返礼に、詩人・藤井則行さんが、詩誌「果実」61号を送ってくださった。

 詩は6名が12編を寄せている。

 レトリックよりも、人生の重みで読ませる作品が多く、好感がもてる。

 龍野篤朗さんの「あっぽっしゃまつり」は、旧正月の行事を描いたものらしいが、民俗的怪異に迫力がある。その第2連を引用する。

  あっぽっしゃまつり

濡れそぼった

髪振り乱し

荒縄締めの蓑姿

沖の岩礁の底から来た

チーン チーン

 ほかに黒田不二夫さんの、長文の詩論も貴重だ。

2009年3月 6日 (金)

「ヘミングウェイ全短編 3」

003  「ヘミングウェイ全短編 3 蝶々と戦車 何を見ても何かを思いだす」を、読みおえる。

 平成9年、新潮文庫。

 生前未発表の7編を含む22編が収められている。

 この本は、職場の昼休み時間に、駐車場のマイカーの中で、倒した背凭れに仰臥して読んだ。長い日数がかかったので、帯などが傷んでしまった。

 これで「全短篇」全3冊を読みおえた。高見浩の新訳は、好感がもてる。

 スペイン内乱、第二次世界大戦に関わる頃より、作家の視線が倫理性を高める。

 戦争には大義が必要だし、戦闘は生死を賭けるものだから、作家の心理がわからぬでもない。

 今の僕は、仕事にも家庭にも、そう倫理的ではない。

 ヘミングウェイの銃による自殺は、やはり悲劇である。

2009年3月 4日 (水)

「佐佐木幸綱の世界 2」

004  「佐佐木幸綱の世界 2 歌集篇」を読みおえる。

 1998年、河出書房新社・刊。カバー、帯。

 この歌集篇には、「反歌」「金色の獅子」「瀧の時間」の、3冊の歌集が収められている。

 このシリーズの「1 歌集篇」よりも、僕には好感をもてる作品が多い。「瀧の時間」の後記にあるように、主題を軸にした<狩り>の作歌から、日々の生活の中で出会う人物・物事を詠う<待ち>の作歌に移ってきたせいもあるだろう。

 俗に言うと、年齢を重ねて歌が穏やかになったとも言えるが、彼の場合、それだけではない気がする

 付箋を貼った6首を、以下に引く。

六本木の街はセピアよきさらぎの刹那の愛に降る雪の量(かさ)

正座して待ち居たりしは何ならん吾が二十代すでに忘れぬ

傘を振り雫はらえば家の奥に父祖たちか低き「おかえり」の声

呆たるを人に知らゆな、教卓のマイクの前に広がる山河

若草はひばりを隠しはつなつの心にわれは鶺鴒を飼う

天の河原を描きし頭脳 ビッグ・バンにはるばる思い至れる頭脳

2009年3月 3日 (火)

手塚治虫「百物語」

003  手塚治虫の漫画「百物語」を読みおえる。

 昭和51年、集英社漫画文庫。

 戦国時代(らしい)を背景とした、青年武士のサクセスストーリーとその終末を描く。

 ストーリーには、僕はあまり興味を持てない。美女の姿の悪魔や、土俗的妖怪の登場に、漫画が描かれた時代を感ずる。

 漫画「赤胴鈴之助」「鉄腕アトム」「鉄人28号」を少年漫画誌で読んだこと、ビートルズの現役活動の時代に遭遇したことは、他力本願的だけれども、僕の誇りである。

2009年3月 2日 (月)

「愛蔵版 日本のやきもの」

002  「愛蔵版 日本のやきもの」第5巻「唐津 上野(あがの) 高取 萩」を見おえる。

 昭和52年、講談社・刊。

 箱、本体にカバー、103ページ。

 それぞれ、壷、水指、茶碗、茶入れ、向付(むこうづけ)、大皿など、初めから茶人の指向を受けて作られた作品も多い。

 茶道、華道などには全く疎いし、骨董にも疎い(テレビの「開運! なんでも鑑定団」を見る程度)なので、古陶磁を批評する立場ではない。

ただ、古本を含めて、古い物が好きというか、自分になじむ気がするので、古い物の型録とか写真集を少しだけど集めて、眺めては楽しんでいる。

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