角川書店「増補 現代俳句大系」第3巻(昭和56年・刊)より、4番めの句集、加藤楸邨「寒雷」を読みおえる。
原著は、昭和14年、交蘭社・刊。
「古利根抄」、「愛林抄」、「都塵抄」の3章に、540句を収める。
この「寒雷」に至って、僕は初めて現代俳句に出会った気持ちがする。水原秋櫻子の「馬酔木」に拠り、中村草田男、石田波郷とともに、人間探究派と称された。
高浜虚子の門下の作風を、僕でも古典的と感じていたのだろう。
以下に5句を引く。
ふなびとら鮫など雪にかき下ろす
波ゆけば浮葉にともる蛍かな
雪崩止四五戸が嶺と闘へる
屋上に見し朝焼のながからず
元日や枯野のごとく街ねむる
5月1日~2日の急病があって、このゴールデンウィークに行楽へ行けなかった(1つの予定をキャンセルした)ので、最終日の今日の午後、ひとりで車に乗って、ショッピングに出かけた。
買った品物を、以下に列挙する。
1と2は、家電量販店「百満ボルト 本店」で買った。歌集の下原稿の記録等のためである(詩集の下原稿、61編は出来たので、これから削らなければならない)。
3と4は、「BOOK OFF 板垣店」へ久しぶりに行き、買ったもの。
与謝蕪村について、句集は読んだ記憶があり、書簡集も岩波文庫で読んだ。蔵書には、「蕪村全句集」もある。彼の絵画はほとんど見た事がなかったので、今回はよい買い物だった。
先日、近所のコンビニへ行った際、「週刊アスキー」のこの号が目に止まったので買った。
記事が気になるものばかりだったので。
「iPad2 完全ガイド」「今買えるAndroidスマホ全19機種評価」「アンドロイド3.0」「Internet Explorer 9 徹底ガイド」「完全保存版 ニコニコ動画のすべて」など。
それに表紙モデルは中川翔子さんだし(僕は彼女のブログを「お気に入り」に入れているが、あまり見ない)。
僕の現実は、デスクトップパソコンとケイタイより出ていないし、出て行く予定もない。
それで、記事の用語や解説がわからず、世間にはこのような最新のものがあるのだな、くらいしかわからない。それでも知らないよりはマシだと思って。
昨夜、寝る前にトイレに行っておこうと立ち上がると、目眩がして、箪笥をつかんでも障子に背凭れても、立っていられない。
吐き気もあって、「脳梗塞」の言葉がよぎったので、妻に頼んで救急車にきてもらって、S病院に搬入された。途中、三度ほど吐いた。
CTスキャンのあと、点滴を受けながら、眠ってしまった。
今朝になって、聴力、心電図などの検査を受け、「耳の平衡感覚を司るところ(三半規管らしい)の異常による目眩だろう。繰り返すようになるかも知れない」との説明を受け、粒剤を2種類もらった。
今日昼になって退院し、家で静養するようにしている。
救急車に運ばれにつつ頭(づ)の隅で歌を思へど歌は成らずき
(拙作、未発表)
「コスモス」「棧橋」の先輩歌人である鈴木竹志さんが送って下さった、第3歌論集、「孤独なる歌人たち」を読みおえる。
平成23年5月、六花書林・刊。
副題に「現代女性歌人論」とあるように、何らかの理由で孤独を抱え込んだ女性歌人6人、河野愛子、加藤淑子、横山未来子、冬道麻子、永井陽子、沢口芙美をめぐって論ずる。
分量的に河野愛子論が、全体の約半分を占める。
彼は僕によくしてくれる人で、論や論じられる短歌に同感する所もあるので、読み進むのが苦痛ではない。
僕は歌誌などの評論をあまり読まない。
歌論は薬のようなもので、求めている人には劇的に効くだろう。僕は毎度の食事(短歌を読むこと)によって多く栄養を採りたい。
前回の歌論集を頂いた時にも書いた事だが、苦労が多くて功賞の少ない(と僕には思われる)歌論を書き続ける、彼の努力を多とする者である。
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