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Google Playブックスより青空文庫発で、タブレットに無料ダウンロードし、立原道造のソネット集「暁と夕の詩」を読みおえた。
この「暁(あかつき)と夕(ゆふべ)の詩」は、詩人が生前に構想していた「風信子(ヒヤシンス)叢書」の、第2集にあたる。
わずか10編のソネットを収める。14行詩を10編くらいまとめて、1詩集としたほうがお洒落な感じかも知れない。
1939年(昭和14年、第2次世界大戦の起こった年)に24歳の若さで逝いた詩人らしく、滅んでゆく優しさ、はかないものへの挽歌を、うたい続けたと僕は考える。
タブレットでは、フォントサイズを+25%とした。活字本と違う字体で、少し違和感があった。
今月25日の記事で紹介した、「優しき歌 Ⅰ Ⅱ」と合わせて、あと風信子叢書第1集の「萱草(わすれぐさ)に寄す」を読めれば、彼のソネットのおもな詩編は読める事になるのだが、今はサイトに見つけられずにいる。
角川書店の「21世紀歌人シリーズ」より、伊勢方信「月魄」を読みおえる。
2008年・刊。1首1行、1ページ2首組、231ページ。
伊勢方信(いせ・ほうしん)第6歌集、「月魄(げっぱく)」403首。
彼は「朱竹」代表、「笛」会員、他、文学上の様々な役職を担っている。
嵐の予兆を告げる叫びではなく(勝手な言い分だが)、6年後の今は、滅びゆくものへの優しい挽歌がふさわしいと、ここのところ読んでいる立原道造のソネットの連想で思う。
ただし自分だって、まだまだ生き延びる積もりではいるのだが。
以下に6首を引く。
旱魃のダム湖の底ひに光りゐる水が小さき皺をひろぐる
合歓はやも散りてしまへり観音の肩にさはなる蕊を降らして
バーゲンのバッグ求めて重ね貼りの値札はづすを妻はたのしむ
槌の跡尖りてかなしとベルリンの壁の残片みやげに貰ふ
死のかたち美に遠き世をミイラ化と語尾あげて告ぐアナウンサーは
どんでんがへしなきしあはせを歩みきて踏む霜柱音なく崩る
近所の小川に沿う道の路肩に、黒い厚いビニールシートが張られたので、もう近所では彼岸花を見られないと思った。
しかし道の斜め前の郵便局へ行った時、赤い花が見えたので、カメラを持って出かけた。小川とは反対側の、不耕作田の畔に咲いていた。
その田にはコスモスも咲いていたので、写真を撮った。赤花が消えたようである。
去年の「彼岸花とコスモス」の記事(←リンクしてある)は、9月23日(秋彼岸の中日)付けである。
写真は、うまくなっただろうか。
わが庭の入り口で、金木犀が匂っている。
例によって、Google Playブックスより、立原道造の詩集「優しき歌 Ⅰ Ⅱ」を青空文庫を通して、タブレットに無料でダウンロードし、読みおえた。
僕は彼のファンで、角川書店の6冊本全集を通読し今も持っており、角川文庫で詩集を読み、それを電子書籍化したCD(ミス事故で消えてしまったけれど)でも読んできた。
今、別の版の角川文庫(中村真一郎・編)で比べると、編集が少し違う。
「Ⅰ」は、文庫本では既発表ソネットのうち未編集(詩人の手では)詩編であり、「Ⅱ」が本来の「優しき歌」11編(「序の歌」を含む)である。
今その巻末の「Ⅹ 夢みたものは…」の、最終2連6行を引く。
告げて うたつてゐるのは
青い翼(つばさ)の一羽の小鳥
低い枝で うたつてゐる
夢みたものは ひとつの愛ねがつたものは ひとつの幸福
それらはすべてここに ある と
1昨日の記事に書いた通り、「コスモス短歌会F支部」10月歌会の直前、支部・最高齢(96歳)のI・寿和子さんが、支部退会の挨拶にみえた。
そのおりに支部に託された歌集「連鶴 その二」2部のうち、1部を最初に僕が読ませてもらった。
写真では、姓にあたる所を、紙片で隠してある。
軽装版、41ページ。
「コスモス」掲載歌、「文化書道 短歌部」入選作品、「コスモス」支部・出詠歌、他を収める。
彼女が水墨画をよくし、全国の南画展で特選を得る程の腕前とは、この歌集の作品で僕は初めて知った。
3人の子ども、9人の孫、7人の曾孫に恵まれた彼女の、今後のご健康とさらなるご長寿を願う。
以下に3首を引く。
生涯の得難き日なり東京にて南画特選の表彰を受く
雪の日の甘酒うまし香に立ちてのみどを辿り心身温む
冬の衣をぬがす如くに男の孫はハミングし乍らタイヤ取り換ふ
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昨日(第3日曜日)の午後1時より、某館の1室で、「コスモス短歌会F支部」の、9月歌会が持たれた。
事前1首出詠10首、当日参加者9名。
歌の批評の前に、支部会員・最高齢96歳のI・寿和子さんが、息子さんに連れられ、支部退会の挨拶にみえ、簡易製の第2歌集「連鶴 その二」を支部に託された。
事務方の用意した、詠草プリントを基に、U支部長の司会で、1首ずつ2名が評を述べ、支部長の講評と添削例提示で会は進んだ。
会のしまい近く、他の短歌会とまちがえて若い女性が迷い込み、会員は支部にこれからも参加するよう誘ったが、そうなる可能性は低いように僕は思う。(写真には写っていない)。
熱心に会を進め、常より遅い4時半ころに散会した。
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