カテゴリ「歌書」の467件の記事 Feed

2015年2月12日 (木)

「その二集」他・読了

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号より、「その二集」他を読みおえる。

 今月7日の記事、「あすなろ集」「新・扇状地」読了、に継ぐ。

 既読の特選以外の「その二集」、「コスモス物故者作品抄」、他「選者小言」を含む散文をほぼ読みおえた。

 「コスモス物故者作品抄」は、2012年、2013年に亡くなられた会員の各4首に、担当者による歌歴紹介など(3行)が並ぶ。それぞれ苦闘の跡が偲ばれる。

 付箋を貼ったのは、「その二集」より次の1首。O・友美恵さんの3首より。

一度だけ過去に戻れるチャンスありそんな人生どこかにないのか

 誰もが持つ思いだが、それを歌に詠んでしまう所が、大阪人らしい。

 これで今号の読書は、しまいとしたい。

Photoフリー素材サイト「足成」より、洋ランの1枚。

 

2015年2月 7日 (土)

「あすなろ集」「新・扇状地」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号の、「あすなろ集」「新・扇状地119」を読みおえる。2月3日の記事、「COSMOS集」読了に継ぐ。

 「あすなろ集」には、短歌の向上心の強い方が多いだろう。

 台湾の方4名、在タイの日本人1名、沖縄県の方も1名いる。

 「新・扇状地」は、1ページに顔写真(モノクロ)と共に15首、見開き2ページに二人ずつ載る。

 付箋を貼ったのは、「あすなろ集」の次の1首。K・睦子さんの3首より。

五十年暮した部落野にかえり熊の親子が出てくるという

 下句がおどけているようだが、過疎地から放棄地になる村落の現実が詠まれている。

 

Cimg8235マイ花アルバムより、パステルピンクの百合(オリエンタル・ハイブリッド系)の1枚。

2015年2月 4日 (水)

近藤芳美「早春歌」

Cimg8237 2012年4月10日の記事(←リンクしてある)で購入を報せた「近藤芳美集」を、3年近く経てから、ようやく読み始める。

 近藤芳美(1913年~2006年)は、1932年に「アララギ」入会、1951年に「未来」創刊・主宰した。

 作歌・評論と共に、数紙の新聞歌壇選者を長く続けて、その事も高く評価されている。

 今回紹介するのは、第1歌集「早春歌」。

 1948年、四季書房・刊。

 建築設計系の学生として心揺れる日々、朝鮮半島での勤め、年子夫人との恋愛・結婚、従軍、負傷・肺結核による除隊、敗戦までを詠った。

 彼が偉大な歌人だったから、生き残り活躍したのではない。

 生き残った戦中派だから、励み行動して、偉大な歌人になったのだ。

 以下に6首を引く。

兵となり満州に行きたしと言ふ友よかつてマルクスを説きあかざりき

寄り行きて人夫を詰る吾の声ひとりごと言ふ如き吾が声

たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれは思ひき

青写真日に白じらと曝(さ)れ行けば一人の如き吾の思ひか

近々とまなこ閉ぢ居し汝の顔何の光に明るかりしか

胸にうづめて嗚咽して居し吾が妻の明るき顔をしばしして上ぐ

2015年2月 3日 (火)

「COSMOS集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号の、「COSMOS集」を読みおえる。

 1月29日の、「その一集」読了の記事に継ぐ。

 「COSMOS集」は、「その二集」「あすなろ集」の特選欄である。主として5首、まれに6首(この2月号では「あすなろ集」特選で4名)が載る。

 「その二集」「あすなろ集」よりの昇級は、2年間(1月号を始めとして)の掲載歌数で決まるので、この「COSMOS集」は成績の稼ぎ時である。もちろん特選の喜びもあるだろう。

 また特集の「木原昭三氏追悼」8ページも読む。氏は僕とは関わり薄かったようだが、苦難があって温厚な方だったようだ。

Cimg8232マイ花アルバムより、牡丹の1枚。

2015年1月29日 (木)

「その一集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号の、昨日の「月集シリウス」読了に続き、それに次ぐ「その一集」を読みおえる。

 特選(5首掲載)は45人、多くは3首掲載である。

 この「その一集」は、「コスモス」会員の中で最も人数が多く、「『コスモス』会員の吹き溜まり場」と揶揄されもする。僕も何とか抜け出したいが、昇級は難関である。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。S・珠美さん(*)の特選5首より。

コンビニが建つと言われて半年が過ぎた空き地に秋の虫鳴く

 未着工の空き地、未完成のままの建物、廃墟建物、等が日本には多いのだろう。

Wildorchid322744_1920フリー素材サイト「Pixabay」より、洋蘭の1枚。

2015年1月28日 (水)

「月集シリウス」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号より、トップクラスの「月集スバル」(1月25日の記事を参照されたし)に次ぐ、「月集シリウス」を読みおえる。学ぶ事は多い。

 毎月7首出詠、4首あるいは5首が掲載される。

 4首の人と5首の人は、半々くらいであり、特選5首欄もある。聞いた事はないが、熾烈な競争だろう。

 さらに上の選者を目指す人には、厳しい試練である。

 付箋を貼ったのは、次の1首。M・陽子さん(*)の5首より。名前のあとの*は、新かな遣いの表示である。

本屋へはひとつ上ってパン屋へはもひとつ上る段丘の街

 懐かしい街を、リズム良く詠んでいる。

Orchid213171_1280フリー素材サイト「Pixabay」より、洋蘭の1枚。

2015年1月27日 (火)

斎藤史「秋天瑠璃」

 大和書房「斎藤史全歌集」(1998年・5刷)より、第10歌集「秋天瑠璃」を読みおえる。

 1月18日の記事(←リンクしてある)、第9歌集「渉りかゆかむ」に継ぐ。

 原著は、1993年、不識書院・刊。505首。

 この全歌集の仕舞いの歌集である。

 斎藤史(1909年~2002年)にはこの後の歌集に、「風翩翻」(2000年、不識書院・刊)、「風翩翻以後」(2003年、短歌新聞社・刊)がある。僕は両冊を読んでいるけれど、このブログには記事がなく、2007年4月以前の読書と思われる。

 歌集「秋天瑠璃」より、7首を引く。

短歌とふ微量の毒の匂ひ持ちこまごまと咲く野の女郎花

家族とふ枷なくなりし身の今日の終りにて睡くなるまで寝(い)ねず

老獪の顔となりたる猫に遭ふ幼くて日々膝に乗りしに

ヴィールスはしづかに栄え電流のごとき痛みに我をいたぶる

青く透くヒマラヤの芥子夢に来てあとの三日をこころ染めたり

矮鶏(ちやぼ)抱けば猫よりかろく淡泊にて鳥はさびしき生きものらしき

われのベッドに坐りたくてならぬ雌鶏の してやつたり今日卵産みたり

  注:1部、旧漢字を新漢字に替えた所があります。

Orchids272050_1280フリー素材サイト「Pixabay」より、洋蘭の1枚。

2015年1月25日 (日)

「月集特別作品」と「月集スバル」

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号より、初めの「月集特別作品」と、それに次ぐ「月集スバル」を読みおえる。

 「月集特別作品」は、「月集スバル」と「月集シリウス」の特選欄みたいな所だ。「月集スバル」より(既にトップクラスとして顕彰されているので)2名、「月集シリウス」より10名が、各5首ずつ載る。

 「月集スバル」は、選者または選者経験者の欄で、5首提出し無選で5首が載る。

 「月集スバル」で僕が注目したのは、小島ゆかりさんの次の1首である。

ゆふぞらに天の焚火が燃えるからそこに集へよ虐待死の子ら

 虐待されて死亡した子供たちの報道に、心の痛みを表わす極限だと思う。文学としては極限の表現である。

 あとは医学と政治の問題だろうか。

Orchid516769_1920フリー素材サイト「Pixabay」より、洋蘭の1枚。

2015年1月20日 (火)

前登志夫「青童子」

Cimg8194 ある人より譲られた歌集、前登志夫「青童子」(1997年、短歌研究社・刊)を読みおえる。

 彼の歌集は、2007年9月19日の記事(←リンクしてある)、国文社の「前登志夫歌集」(現代歌人文庫・8)を、読んだのみだった。

 前登志夫(1926年~2008年)は、1964年に第1歌集「子午線の繭」を刊行、1980年に歌誌「ヤママユ」創刊。

 2013年に、全11歌集・他を収めた全歌集が、短歌研究社より刊行された。

 「青童子」では、風狂の度を増しているようだ。何に苦しんだ果てだろう。

 また性に関わる歌もあるが、老いの妄執だろう。

 以下に6首を引く。

雪やみし山の夜空に含羞の星よみがへる静けさにゐつ

播かざりし穀物の種子朽ちはつるこの地下倉に差す雪あかり

みちのくの人ら黙して物食むを目守りゐたればわれは旅人

栃の実を拾へる童子を見張りをるけもののけはひ、紺青の時間(とき)

物売れる人らよろしも扶余の街の市場の露地にうづくまるわれ

さくら咲くゆふべの空のみづいろのくらくなるまで人をおもへり

2015年1月19日 (月)

届いた3冊

Cimg8192

Cimg8190 1月15日、16日に、歌誌「歌壇」2月号が、Amazonにも楽天にも在庫がなかった。地元の書店「Super KaBoS ワッセ店」に電話すると、在庫があるという事で、取り置きをしてもらった。

 16日正午近く、車で片道30分の同・店へ行き、「歌壇」2015年2月号を受け取った。

 また1月17日に、結社歌誌「コスモス」2015年2月号が届いた。特集は「木原昭三氏追悼」である。

 「福井詩人会議・水脈」より、詩誌「水脈」52号(2014年12月・刊)が贈られた。

 いずれも読了して、このブログで紹介したい。

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