カテゴリ「歌書」の467件の記事 Feed

2016年5月25日 (水)

竹山広「とこしへの川」

Cimg8856 2014年12月30日付けの記事(←リンクしてある)で、届いた事を報せた「定本 竹山広全歌集」(写真は函の表)より、第1歌集「とこしへの川」を読みおえる。

 「とこしへの川」は、1981年、雁書館・刊。495首。

 竹山広(1920年~2010年)は、1941年「心の花」入会、他の歌誌を巡って1959年「心の花」に戻った。

 「あとがき」に1955年から1980年の作品を収めたとあるから、彼は少なくとも被爆10年を経てから長崎・被爆体験を詠い出し、36年を経てからその被爆詠を含む歌集を出版した。

 体験を作品化し、本にするまで、そのような年数が要ったのだ。

 以下に7首を引く。

血だるまとなりて縋りつく看護婦を曳きずり走る暗き廊下を

訪ねきてしきりにねむたがる妻よひとときの幸はや終るべし

み車に小旗ささげ振る学童らつひに頭(かうべ)を垂るることなし

死にそびれたるゆゑ長く生くべしと言はれつつ病み耐へし十八年

焼けのこりたる肉塊にガソリンをかけをりしかの校庭ここは

落葉摑みゐし幼な手もひらきやりぬ裸の胸に組ましめむとて

急須の茶濃くなるを待つしばしだに心遊べと照る木瓜の紅

2016年5月23日 (月)

全歌集と囲碁年鑑

Photo 先日、京都の「三月書房」(新刊書店、俳歌詩・本を多く扱う)にネットで注文して、「岡部文夫全歌集」(短歌新聞社・刊)を買った。

 定価・9000円+税の所、再販本なので5000円(税・送料・込み)だった。

 19歌集+合同歌集より抜いて+初句索引、等を収める。

 岡部文夫(1908年・生)は、石川県生まれだけれども、1956年より福井県に転任し、この地で1990年に没した。

 僕が「コスモス短歌会」に入会したのが1993年であり、名前と郷土が結ばれなかった。

 再販本であり、いつ在庫がなくなるか判らないので、機会を見つけて注文した。

 プロレタリア系自由律歌人として出発したようだが、定型に復した。

Photo_2

 Amazonより、「2016 囲碁年鑑」を今年も注文した。

 昨年分が、昨年5月21日の記事(←リンクしてある)にアップしており、50年分だとしているので、今年は51年分めである。

 僕は現在、碁を打たず、棋譜も並べない。

 日本棋院のホームページで、タイトル戦の行方などを追っている。

 年鑑が51年分となれば、何かの力を発揮するかも知れない。

2016年5月21日 (土)

歌誌2冊

Photo

Cimg8844 

 Amazonに予約注文してあった、総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2016年6月号の、発送通知が5月13日にあり、14日か15日に届いた。

 すぐに7月号の予約を入れて置いた。

 6月号について、読みおえたなら、ここで紹介する予定。

 5月19日(木曜日)に、結社歌誌「コスモス」2016年6月号が届いた。「本年度前期の歌集批評特集」として、12冊が見開き2ページずつで紹介されている。

 僕の歌は、10首出詠の内、3首選だった。内容は、アメーバブログ「新サスケと短歌と詩」の、5月21日付け記事(←リンクしてある)にアップしたので、横書きながら、ご覧ください。

 歌誌の内容についても、少しずつここで、紹介して行く予定である。

2016年5月17日 (火)

若山牧水「黒松」

 Kindle本「若山牧水大全」より、遺歌集「黒松」をタブレットで読みおえる。

 前作の第14歌集「山桜の歌」は、先の4月5日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 歌集「黒松」は、牧水の没後10年(昭和13年、1938年)に、改造社より出版された。ただしその前に全集に、夫人と高弟・大悟法利雄とが1千首をまとめて、収めていたらしく夫人の歌集後書からは推察される。

 1923年~1928年の作品で、自宅建設、詩歌誌発行等のため、全国、海外まで揮毫旅行を繰り返し、健康を害して1928年、数え年44歳で没した。

 最後の歌集であり、紙本の「全歌集」には多くの補遺があるが、僕は「大全」の随筆をタブレットで読んで行こうと思う。

 以下に7首を引く。

散りやすきこころとなりて昼はいね夜半を僅かに起きてもの書く

入りゆかむ千曲の川のみなかみの峰仰ぎみればはるけかりけり

明日去ぬる港とおもふ長崎の春の夜ふけに逢へる人々

うち群れて釣れるは何の来しならむ冬めづらしき今朝の釣舟

濡縁の狭きに立ちてをろがむよわが四十三のけふの初日を

松が枝に鴉とまりつおもおもと枝のさき揺れて枯葉散りたり

酒ほしさまぎらはすとて庭に出でつ庭草を抜くこの庭草を

Photo 「フリー素材タウン」より、藤の1枚。

2016年5月16日 (月)

永田和宏「新版 作歌のヒント」

Cimg8826 先の5月10日の記事(←リンクしてある)「最近買った2冊」で紹介した内、永田和宏「新版 作歌のヒント」を読みおえる。

 NHK出版、2015年2刷。

 47のヒントに、例を挙げての解説と思いを述べている。

 歌集の筆写を勧めているくらいで、簡単な上達法はない、としている。

 しかし「結句の力―オチをつけない」で「結句病」を戒め、「嘘から出たまこと―事実しか歌ってはいけないのか」ではフィクションを認め、更に最後に「作者だけの<思い>で歌を縛らない」では、読者の読みを信頼して「作品は作者が作るものではなく、読者が作るものだ」と言い切りたい、としている。

 僕は少年時代、戦後詩の影響のもとレトリックの濃い詩を作ったが、それからの転回でレトリックの強い作品を書こうと思わない。

 この本には、オノマトペ、リフレイン、比喩、他のレトリックについても解説されているので、参考にしたい人は多いだろう。

2016年5月13日 (金)

届いた2冊

Cimg8837

Cimg8839  最近、2冊の本が、手許に届いた。

 1冊は、「田谷鋭全歌集」。「コスモス」誌に挟み込みの葉書で注文した。

 柊書房、2016年5月・刊。

 価格が1万5千円(税・別)と高いので、「コスモス」先達歌人の全歌集といえど、ふだんなら買えない。たまたま雑収入があったので、注文できた。

 もう1冊は、村上春樹「雑文集」。新潮社、2011年・刊。ビニールカバー。

 発売当初、書店に平積されたが、「雑文集に1,400円は高いなあ」と思って(ネーミングのミスだと思う)、買わなかった。

 先日、Amazonのマーケットプレイスに、1円(+送料257円)で並ぶ中から、選んで注文した。価値ある文章も多いようだ。

 

2016年5月10日 (火)

最近買った2冊

Cimg8826

Cimg8828

 最近、わずかだが商品券を入手したので、ショッピングモール「ワッセ」内の書店「KaBoS ワッセ店」へ行き、2冊を買った。

 1冊は、永田和宏「新版 作歌のヒント」(NHK出版、2015年2刷)である。好評の作歌論のようだ。

 もう読み始めているのだけれど、少し「アララギ」流の所があるようだ。

 もう1冊は、「ポケット図解 超簡単 タイピングが1週間で身につく本 最新版」(秀和システム、2014年3刷)である。

 僕のタイピングは、1本指ではないけれど、正式でなく、ブラインドタッチができない。なんとかブラインドタッチができるように、なりたいものだ。

2016年5月 6日 (金)

歌誌「コスモス」5月号「COSMOS集」読了

 結社歌誌「コスモス」2016年5月号より、「COSMOS集」を読みおえる。

 同・「その一集」特選欄の読了は、先の5月3日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 「COSMOS集」は、「その二集」と「あすなろ集」の特選欄であり、「コスモス」の華の1つである。「コスモス」の若手、新人の新しい秀作が集まっている。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。「あすなろ集」特選、T・泉さんの「パンはまつさら」5首より。

この一世に入り来たる子はつぎつぎと我のトランプひつくり返す

 身の内に潜んでいた心情の発現の驚きを、新鮮な比喩で表した。

Photo 「フリー素材タウン」より、藤の1枚。

2016年5月 3日 (火)

歌誌「コスモス」5月号「その一集」特選欄・読了

 結社歌誌「コスモス」2016年5月号より、「その一集」特選欄を読みおえる。

 同・「月集」読了は、先の4月24日の記事(←リンクしてある)にアップした

 「月集」特選は、9選者×各5名×各5首。

 「月集」会員は、増えている印象で、それだけ競争率が高くなる。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。K・典子さんの5首より。

ふつと来し言葉ひとつが風のごとあはれ消えさる風すさぶ夜を

 そういう経験は、誰にもあるだろう。メモを取りましょう。本には、付箋を貼りましょう。

 詠いぶりが、なだらかである(これを、調べが良い、というのか)。

Photo 「フリー素材タウン」より、藤の1枚。

2016年4月26日 (火)

歌誌「歌壇」5月号

Cimg8803 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)の2016年5月号を読みおえる。

 家に届いた事は、先の4月19日の記事、「歌誌2冊」にアップした。

 また同誌・4月号の読了は、4月12日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 特集「若き才能を感じる歌人たち」は、悪くはないのだけれども、43歳の中年で「コスモス短歌会」に入会した僕には、切迫して来ない。

 座談会「世代間の歌をめぐって――現代短歌のゆくえ 後編」は、若手のトップ女性歌人たちの、熱心な討議で、「このまま徹夜でしゃべりたい」という発言が出るほど、率直な会であった。

 僕が付箋を貼ったのは次の1首。安藤昭司さんの「銀の放射」12首より。

従順に石の影あり従順に人の影あり火を噴かぬもの

 世界では、銃の乱射や自爆テロなど、いつ火が噴くか知れない危機が存する。日本でも、ナイフを使った殺人や自動車事故、自然災害など、いつ危機に遭うか知れない時代である。

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