カテゴリ「歌書」の467件の記事 Feed

2016年4月24日 (日)

歌誌「コスモス」5月号「月集」読了

 結社歌誌「コスモス」2016年5月号の、初めの「月集」欄を読みおえる。

 本の到着は、先の4月19日の記事(←リンクしてある)、「歌誌2冊」にアップした。

 「月集」とここで呼んでいるのは「五月作品(短歌)」の初めより、「今月の四人」、「月集スバル」、「月集シリウス特別作品」、「月集シリウス」の、4欄である。

 「月集」では、悲苦を詠んで平静、平常・喜びを詠んでおおらかである。

 次の「その一集」では、所帯が大きいせいか、遡上する鮭が身を擦り合うように競り合っているようだ。

 僕が付箋を貼ったのは、「今月の四人」から冒頭の、次の1首。作者の柏崎驍二さんは、報によると4月15日に亡くなられ、享年74. 5首はいずれも旋頭歌である。

北窓に白く陰れる岩手山あり青年がわがコルセットの型を採る部屋

Photo 「フリー素材タウン」より、チューリップの1枚。

2016年4月22日 (金)

「福井短歌」第8号

Cimg8807 福井県短歌人連盟・事務局のK・普定さんが、同・連盟の年刊アンソロジー「福井短歌」第8号(2016年3月20日・発行)を送って下さった。

 詩の発表もしている彼に、同人詩誌「群青」(第34号で終刊した)を送っていたので、僕が短歌も発表する事を知っていて、ここ何年か「福井短歌」を送って下さる。

 メインのアンソロジー歌集は、116名が各5首(A5判、1ページ2段組み、3名掲載)を寄せている。

 この他に、3編のエッセイ、県綜合短歌大会・入賞歌、各短歌会支部活動・報告、等を収める。

 県内のアンソロジーとして参加者は、俳句の「福井県」より少なく、詩の「詩集ふくい」より多い。

 アンソロジー歌集で、僕が付箋を貼ったのは、次の1首。I・和栄さん(「百日紅」・他・所属)の5首より。

ああえらつは老いの繰り言と気付きたり耳障りらし禁句となさむ

 「ああえらっ」は「ああ、えらい」の訛りで、「えらい」は「疲れた」、「とても」等の意の方言である。深刻になりがちな所を、方言と、素直な詠みぶりで、さらりとした歌である。

2016年4月21日 (木)

Kindle本「橘曙覧全歌集」

Photo AmazonのKindle本に、「橘曙覧全歌集」を見つけ、購入してパソコンに入れ、10インチ・タブレットに同期した。

 底本は、曙覧の息子、井出今滋が明治11年に刊行した歌集を基としている。それに長歌集、後世の評、小伝等を付したもののようである。

 橘曙覧はわが郷土で生まれ暮らし、文学館もある。正岡子規に称揚されて有名だったらしいが、僕たちの世代では知られていなかった。

 その理由をある歌人に尋ねると、国学者でもあった曙覧の歌は、戦時中に戦意高揚に利用され、敗戦後に反動で顧みられなくなったらしい。歌人には、大きな迷惑である。

 僕は伝記の上坂紀夫「清貧の歌人 橘曙覧」、注付き全歌集の久米田裕「橘曙覧研究」を読んだ事があるが、共に今は手許にない。Kindole本が価格200円と廉価だったので、タブレットに収めて置いた。前記の読書が、この本を読む助けとなるだろう。

2016年4月19日 (火)

歌誌2冊

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 発売日の4月14日に、楽天ブックスへ総合歌誌「歌壇」2016年5月号を注文し、16日(土曜日)に届いた。

 価格・800円(-566楽天ポイント)。消費税・込み。送料・無料。

 物価上昇、消費税増税によく耐えている。内容も好みである。

 4月18日(月曜日)、結社歌誌「コスモス」2016年5月号が届いた。

 桐の花賞、評論・随筆賞の発表がある。少しずつなりと、作品等を読んで、ここにアップしたい。

 僕の歌は、10首出詠の内、4首選だった。もう1つのブログ、「新サスケと短歌と詩」の、4月19日付け記事(←リンクしてある)にアップしたので、横書きながらご覧ください。

2016年4月12日 (火)

歌誌「歌壇」4月号

Cimg8759 総合歌誌「歌壇」2016年4月号を、次号の発売日も近くなって、ようやくほぼ読みおえる。

 散文では、読まなかったものも多い。

 特集の「初心者の気になる表現――気をつけたいポイント」の8編を読んだけれども、短歌を読み・詠むの経験を重ねるしかないのか。

 4女性の座談会「修辞を支えるもの――現代短歌のゆくえ 前編」はまだ途中で、後半にも期待したい。小島なおさんが、言葉、時代への意識を鋭くしている事、石川美南さんが、心が動いてから3年くらい寝かせて短歌になる場合もある事、などの発言に感慨があった。

 短歌作品では、安保法(戦争法とも呼ばれた)が成立した後の、茫然とした世相・人心の様が表れているようだ。

2016年4月 5日 (火)

若山牧水「山桜の歌」

 Kindle本「若山牧水大全」より、第14歌集「山桜の歌」を、タブレットで読みおえた。

 この前の「くろ土」は、先月22日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 タブレットで本を読むと、残りの量がわからないので、ピックアップや時間の調整に困る場合がある。

 「山桜の歌」は、1923年(大正12年、牧水39歳)、新潮社・刊。741首。

 「くろ土」に続いて、家での執筆・家族等、また重ねる旅行を詠んで、充実した歌集である。自序で、「くろ土」が動的なら「山桜の歌」が静的である旨を述べている。

 以下に8首を引く。

ちりぢりに燃ゆるはさびし烏羽玉の夜空のやみに見えわたる野火

もぎとりていまだ露けき椎茸を買へと持て来ぬ春日の縁に

生れ来てけふ三日を経つ目鼻立そろへるみれば抱かむとぞおもふ

つつましく心なりゐて富士が嶺の裾野にまへるうづら鳥見つ

ガラス越し射す日ながらにわが頬にほてりおぼゆる今日の冬の日

うすべにに葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花

学校にもの読める声のなつかしさ身にしみとほる山里すぎて

貧しくて時を惜しめば命さへみじかきものに思ひなさるれ

Photoダウンロード写真集「フォト満タン」より、桜の1枚。

2016年3月29日 (火)

歌誌「コスモス」4月号「COSMOS集」読了

 結社歌誌「コスモス」2016年4月号の、「COSMOS集」を読みおえる。

 同集は、入会よりの「その二集」と、それに次ぐ「あすなろ集」の、特選欄(各5首、まれに6首掲載)である。

 今号は年度替わりで、昇級後のメンバーであり、新しい特選者が多いようだ。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。「あすなろ集」特選より、S靖子さんの「旅に誘はる」5首から。

白犬をリュックに背負ふ人もゐて冬の散歩のメンバー多彩

 語調がなめらかで、結句を含めて自由さが感じられる。

Photoダウンロード写真集「フォト満タン」より、桜の1枚。

2016年3月27日 (日)

歌誌「コスモス」4月号「その一集」特選欄・読了

 結社歌誌「コスモス」2016年4月号の、「その一集」特選欄を読みおえる。

 1冊は、2千数百名の3首~5首、他に批評等を収めるので、1ヶ月で読みおえる事は困難である(僕は何回か、読みおえた事があるのみ)。

 それで「月集」と、続く特選欄を先に読み、それから普通の選の歌を読むように、どうしてもなる。

 今回、僕が付箋を貼ったのは、次の1首。Y・啓子さんの5首より。

戦死の父、過労死の母偲びつつ戦後七十年の除夜の鐘聞く

 戦争は、兵の父を飢餓死させ(他の歌に拠る)、遺った母を過労死させ、その子の自分をも苦しめたであろう。苛酷・悲惨な事である。

Photo_2ダウンロード写真集「フォト満タン」より、桜の1枚。

2016年3月25日 (金)

近藤芳美「岐路以後」

Cimg8755 今月16日の記事「届いた2冊」で紹介した2冊より、近藤芳美・遺歌集「岐路以後」を読みおえる。

 3月19日の記事(←リンクしてある)で紹介した、生前版「近藤芳美集」最終歌集「命運」のあと、単行本・歌集「岐路」を読みたかったが、Amazonではプレミアムが付いて買えず、次の遺歌集「岐路以後」を読んだ訳である。

 2007年、砂子屋書房・刊。

 函、帯(岡井隆・帯文)。

 2004年~2006年の歌に、夫人の「あとがき」を付す。

 近藤芳美は晩年、夫婦でケア付き高齢者マンションに住み、落ち着いた生活だったようだ。

 以下に7首を引く。

今日のため綻ぶ桃の花の届くいずくか早き春を育てて

時定め厨房の下に甘え啼く軽鴨のつがいの餌に足れば去る

眼を病みてひかりと影と見失う吾がための視野冬に向かいて

一兵の妻なりにしを待ちて病む一生の後の後遺症とも

人間の生死の無明ようやくに避け得ざる宿命に相向かうため

妻の鬱なおいつまでか黙し合うのみの一と日の昏れなずむころ

マタイ受難曲そのゆたけさに豊饒に深夜はありぬ純粋のとき

2016年3月22日 (火)

「コスモス」4月号「月集」読了

 結社歌誌「コスモス」2016年4月号より、初めの「月集」を読みおえる。

 これまで「月集特別作品」は、12名(うち「スバル集」より2名、「シリウス集」より10名)×5首(1段組み)だった。

 この新年度号より、「月集スバル」の初めに「今月の四人」として、4名×5首(2段組み)が載り、「月集シリウス」の初めに「月集シリウス 特別作品」として12名×5首(1段組み)が載るようになった。

 1冊の普通歌は、「今月の四人」「月集スバル」「月集シリウス 特別作品」「月集シリウス」の順より始まる。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。「月集シリウス 特別作品」のI・玲さんの「自転車」5首より。

白菜を船首像(フィギュアヘッド)にして帰る日没ちかく自転車こぎて

 自転車の前の篭に物を立てて(例えば鞄でも)走らせるのは、まことに船首像みたいだ。「フィギュアヘッド」の語を取り入れた事も手柄である。

Photo「フリー素材タウン」より、椿の1枚。

 

 

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