カテゴリ「詩集」の190件の記事 Feed

2016年1月31日 (日)

Kindle版「立原道造詩集」3読

 1昨日の記事にアップした通り、AmazonのKindle版「立原道造詩集」を、タブレットで3読しおえた。

 同・再読は、昨年11月15日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 出来るだけ引用を多くしたい。「みまかれる美しきひとに」より第3連「こよひ湧くこの悲哀に灯を入れて/うちしほれた乏しい薔薇をささげ あなたのために/傷ついた月のひかりといつしよに これは僕の通夜だ」。「草に寝て」の最終行「希望と夢と 小鳥と花と 私たちの友だちだつた」。「初冬」より「けふ 私のなかで/ひとつの意志が死に絶えた…//…やがてすべては諦めといふ絵のなかで/私を拒み 私の魂はひびわれるであらう//…」。

 彼の恋は不器用だった。最後に純粋で献身的な恋人を得たけれども、結核病のため24歳で没した。

 彼は花や雲や川や恋人をうたっただけでなく、時代に抵抗しつつはかなく敗れていく、若者の心情をうたった。

Photoダウンロード写真集「フォト満タン」より、雪景色の1枚。

2016年1月29日 (金)

喫茶店にて、タブレットより

 喫茶店「ユトリ珈琲店」に来て、ユトリブレンドコーヒーを飲みながら、一服しています。

 スマホで見るツイッターに、新しい記事はほとんどなく、タブレットを取り出しました。

 kindle版「立原道造詩集」の3読めをおえました。内容は、近いうちにここでアップします。

 これはタブレットより投稿する、初めての記事です。

 字のフォントと大きさを、変更し忘れました。すみません。

 帰宅してパソコンより、字のフォントと大きさを変更しました。とても勉強になります。

2016年1月14日 (木)

トラークル「夢のなかのセバスチャン」

 青土社「トラークル全集」(1987年・刊)より、第2詩集「夢のなかのセバスチャン」(没後に刊行)を読みおえる。

 彼の生前唯一の詩集「詩集」は、昨年12月15日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 トラークル(1887年~1914年)は、文学活動をしながら、酒と麻薬に耽溺し、27歳でコカインの過剰摂取により、自殺したとされる。

 彼の詩を愛した者に、彼の友人の他、ウィトゲンシュタイン、ハイデッガー、リルケがいる(Wikipediaに拠る)。

 彼の詩の色彩語の多用は、僕の経験からすると、詩作の初期に表われ、のちに他の表現に吸収されるものだ。彼が後々まで色彩語を多用したのは、彼の27歳の若い死であっても、麻薬等の影響、家族関係の影が差している、と読むよりない。

 第1次世界大戦という、世界の没落、を体現した詩人でもあったのだろう。

Photo「フリー素材タウン」より、水仙の1枚

2015年12月15日 (火)

トラークル「詩集」

Cimg8652 筑摩書房「村野四郎全詩集」を、13回に分けて紹介しおえた(今年5月16日~11月20日)ので、次の詩集を読もうと思って(Kindle版「立原道造詩集」を除く)、本棚から(というのは嘘で、居間の床の間に立てたり積んである本より)、「トラークル全集」を出して来た。

 写真は、その函の表だが、トリミングの都合により、上下端を削ってある。

 青土社、1987年・1刷。1009ページ+書誌7ページ。

 ゲオルク・トラークル(1887年~1914年・自死)は、オーストリアの詩人で、ドイツ表現主義の夭逝の天才であり、世界苦をうたった(ウィキペディアより抜粋、編)。

 「詩集」は、生前に刊行された唯一の詩集である。

 読みおえた印象は、情緒はあるが、色名の多用など、表現としてそれほど進んでいない作品だった。他の詩、作品、書簡等を読んでいず、またトラークルの生涯も詳しくは知らず、今は評価が難しい。

 この分厚い全集を読み進めば、全体像も今よりは明らかになるだろう。

 なお中村朝子さんの翻訳は、英文法を習った身には読みやすく、訳注も親切である。

2015年11月20日 (金)

村野四郎「『蒼白な紀行』以後」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、最後の「『蒼白な紀行』以後」を読みおえる。

 今月7日の記事(←リンクしてあり、クリックすれば記事に飛ぶ)、「蒼白な紀行」に継ぐ。

 村野四郎(1901年~1975年)には、「蒼白な紀行」以後に最後の詩集「芸術」があり、これがその詩集に相当するのだろうか。

 彼は1966年春、会社会長を辞し、一切の企業から手を引いた。

 彼の詩には、人生への、詩への虚無感が濃くなる。

 「春」では「死者たちの眼差しが/いたるところに充満しているのに/ぼくを見つめる/一つの眼もない」と盲目の春を嘆き、「春と詩人」では「ほんとうに この病気は超自然だから/そして歌は熱だから 咳だから/けっきょく痰だから」と言い捨てている。

 なおこの「村野四郎全詩集」を贈ってくださった、渡辺・K氏に改めて、深い感謝の意を表する。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月15日 (日)

Kindle版「立原道造詩集」再読

 先の10月14日の記事(←リンクしてある)の通り、Kindle版「立原道造詩集」を読みおえ、そのままタブレットに残して、先日に再読了した。

 10インチのタブレットの横長1面に1編のソネットが収まるので、読みやすく、味わいやすい。

 僕の好きな1連は、「午後に」の初連であり、以下に引用する。

ある日 悲哀が私をうたはせ

否定が 私を酔はせたときに

すべてはとほくに 美しい

色あひをして 見えてゐた

 彼は「夢見たものは……」の初め2行で、「夢見たものは ひとつの幸福/ねがつたものは ひとつの愛」と素直にうたっており、24歳の短い生涯で、それらは得られたのだろうか。

 これからもこの本を読み続けて、ここで報告したい。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月 8日 (日)

『渡辺本爾詩集』出版記念会

Imgp1154  昨日(11月7日、土曜日)の午後1時半より、福井大学アカデミーホールにて、『渡辺本爾詩集』出版記念会が催された。

 彼は福井県詩人懇話会代表、詩誌「果実」同人であり、多くの知友、詩人が集まった。

 詩集(1)を2014年6月14日付け記事(←リンクしてある)で紹介し、詩集(2)を2015年8月23日付け記事(←リンクしてある)で紹介した。詩集(3)も発行される予定で、祝辞を述べる方からも、期待の声が多かった。

 なお東京より、編集・写真・発行者の大竹雅彦さん、装丁の南口雄一さん、ピアニストの吉岡亜由美さんが出席し、会を盛り上げた。

 南口さんのドキュメンタリーフィルム「Night Train」(音楽・吉岡さん)が上映され、吉岡さんのピアノ伴奏で詩の朗読がされた。

 4名のお祝いの言葉、渡辺さんへの花束贈呈、東京よりの3方に記念品贈呈があった。

 渡辺さんの謝辞のあと、午後4時半の閉会の言葉で、記念会が閉められた。

2015年11月 7日 (土)

村野四郎「蒼白な紀行」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、第10詩集「蒼白な紀行」を読みおえる。

 先の10月27日の記事(←リンクしてある)、「亡羊記・拾遺」に継ぐ。

 原著は、1963年、思潮社・刊。

 これまでのアクが薄くなった印象である。

 「城」の終末では、「遠い空間にかたむく/孤独の城/そこでは永劫に/悲劇の腐敗することがなかった」とうたって、戦争の悲劇がなまなましく残っている事を表わすようだ。

 「冬の河」最終連は「ときどき底ふかく/小さい魚の影たちが/すばやく流れをさかのぼる河」と書き終えて、若者たちに期待するかのようだ。

 この全詩集も、あと「『蒼白な紀行』以後」を残すのみである。

Photo

フリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年10月27日 (火)

村野四郎「亡羊記・拾遺」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、「亡羊記・拾遺」16編を読みおえる。

 「亡羊記」については、今月22日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 「拾遺」では本集よりも、真情を述べているようである。

 中でも僕は、「小さい冬バラに」に注目する。全3連15行より、最後の連の4行を引く。

  (前略)

とじこめられた匂よ 未来よ

寒気のなかの血まみれよ

そのまま凍えて

宝玉になれ

  (後略)

 咲かぬまま萎れる紅薔薇の莟に比喩して、弱者への思いが洩れた。彼の詩で、初めてと僕は思う。

 「大きな青い石」では、旧家意識を見せているのだが。彼は戦前・戦中からの詩人らしく、1960年7月、日本現代詩人会(改称)初代会長になっている。

Photo_2

「フリー素材タウン」より、大菊の1枚。

2015年10月23日 (金)

「詩集ふくい 2015」

Cimg8597 正式名称「年刊 詩集ふくい 2015 第31集」を、ほぼ読みおえる。

 入手は、今月19日の同題の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 或るグループが殆んど参加していないのは残念だ。

 60名69編の詩と、「’14ふくい詩祭 記録」を読む。

 中でもK・八重さんの「霜月のお朔日(ついたち)」と、F・則行さんの「お見舞い」に惹かれる。共にベテランながら、生活をうたっている。

 創作をしていると、感性が上昇するのは自然だが、足が地上(生活)に着いたままなのは、貴重であり有意義だとする説がある。

 僕が帰郷して生活の苦楽に目覚めたこと、短歌も詠んでいること、2人同人誌「群青」の相棒・こぐま星座さんの推しなどで、(俳句、短歌に継ぐ)第3の大衆詩型と称して、ソネットで生活を書いており、自己擁護でもある。

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