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この本は、福井県詩人懇話会が編集・発行している年刊アンソロジー詩集である。65名が71編の詩を寄せた。
これまで名前をお見かけしなかった方の作品が、かなりある。これらの方がたに、同人詩誌などに入ってもらい、継続的に詩を創作・発表してもらえるようになると、福井の詩も更に盛んになるだろう。
詩集の作品は、生活の1場面を描いたもの、観念的なもの、芸術性の高いもの、様ざまである。作者の年齢層が高くなっている点は問題である。
僕のソネット「青年」では、書いた当時は、相手の気持ちがわからなかったけれど、いま読み直すと、相手の気持ちが推測できる。自作でも、のちになって描いた意味がわかるようになる場合がある。
諸家の短歌作品は、それぞれ滋味がある。「コスモス」関係では、木畑紀子さんが「反照」12首を寄せている。彼女は「コスモス」2008-11月号の「新・扇状地」にも「六十歳の門」15首を載せているから、お忙しかったのではないか。
特別企画「あの歌人からの手紙」が、覗き見的なところもありながら、面白い。先輩からの手紙は、励みになるようだ。僕も、小島ゆかりさんが下さった墨筆の手紙を、大事にしている。
誌面各所のエッセイは、息抜き的なものだろうが、僕は楽しみにしている。藤井常世さんの「猫のいる風景」第23回「ジェムのパフの手」、「わが失敗の記」第2回には佐藤通雅さんの「わが失敗させるの記」、「私のこだわりごはん」第2回には武下奈々子さんの「夏の快楽」、ほか。
歌誌「コスモス」2008-11月号を読みおえる。
初めから「cosmos集」までと、「新・扇状地」など。「あすなろ集」「その2集」なども読み通したいが、他にも読みたい本があるので。
61ページの、次の歌に付箋を貼った。
決勝の「五位で終わる」とアナは言う冗談言うな世界第五位ぞ
本音を口語で詠って、感銘を呼ぶ。ほかにも奥村晃作氏のいう「気づき」の歌であろう作品が続く。
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