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2009年12月の28件の記事

2009年12月 8日 (火)

中野独人「電車男」

001  中野独人(なかの・ひとり)「電車男」を読みおえる。

 新潮社、2004年8刷。

 僕は以前に、「電車男」をドラマ化したものをDVDで観たのだけれど、原作のほうが感動的だった。

 「電車男」と「エルメス」それに、ネットの仲間の、純情がよくわかる。

 ただし、ネットの知識を少しと、慣れない文体を364ページ読み通す根気が、要る。

 それと、今の若い人の恋が、ケイタイとかパソコンを通して進んでゆくらしいことに改めて気づく。

 そして恋物語の最前線がこのような形であるらしい事に、改めて驚く。

2009年12月 7日 (月)

寺内タケシとバニーズ「レッツ・ゴー「運命」」

004  ネットより「Amazon」に注文したCD、寺内タケシとバニーズ「レッツ・ゴー「運命」」が届く。

 1995年、キングレコード・発売。

 音源は、1967年のアナログ録音。

 「運命」「白鳥の湖」「剣の舞」など、クラシック音楽12曲を、エレキ・バンド(古い言い方だな。なんて呼べばいいんだろ)用に編曲した、演奏である。

 シビレマスね。寺内タケシは、クラシック音楽や民謡のエレキへの編曲と、超絶技巧的ギター演奏で、当時の日本において天才的だった。

 高校3年生の時の文化祭で、同級生がバンドを組んで「白鳥の湖」などを演奏した時に、会場が異様に盛り上がったことを憶えている。

2009年12月 6日 (日)

福士りか「「゛り゛の系譜」

002  青森県・在住の歌人・福士りかさん(「コスモス」「棧橋」所属)が、歌集「゛り゛の系譜」を送ってくださった。

 2009年11月、津軽書房・刊。

 この本は、彼女の「朱夏」「フェザースノー」に続く、第3歌集である。

 かつて僕は前の2歌集も頂いて、読ませてもらった。

 「゛り゛の系譜」は、心情的にもレトリック的にも成熟した、優れた歌集である。

 レトリック的に成熟したというのは、派手な修辞を見せびらかすのではなく、抑えた作品、軽みを帯びた作品などを、指すのである。

 以下に8首を引く。

髪梳けば櫛は半ばで絡みたりほぐしつづくる生かと思ふ

母は「りゑ」その母は「りち」りの系譜われにつながりわれにて絶えむ

いま何か降つてゐるかと聞く祖母よ さうだねたぶん時が降つてる

一日の化粧落とせば母に似てしばし向き合ふ四十の母と

水をこぼし御飯をこぼしぽろぽろと記憶をこぼし祖母は泣きたり

いちご飴ふたつ下さい姪ふたり連れて明るき宵宮あゆむ

わらわらと泣きたくなりぬ生徒らが真面目にノートをとる五時間目

練習で泣きしは初とあきれられ羨ましがられ卒業を待つ

2009年12月 5日 (土)

「金沢文学」第25号

2_001  文芸同人誌「金沢文学」第25号が届く。

 2009年11月、金沢文学会・刊。

 「金沢文学」は、石川県を主とした同人文学誌で、僕の知るかぎり、年刊である。

 主宰・千葉龍氏が、2008年11月、急逝した。享年75.

 彼に同人詩誌「群青」を送っていた関係などで、何回か「金沢文学」を送って貰った。僕は良い読者ではなかった。

 福井県詩人懇話会の催しの折り、彼の姿を見、またお話を伺う機会もあった。

 今号は「千葉龍 追悼特集号」であり、各界多数の方が追悼文を寄せている。

 また、「金沢文学」は今号をもって終刊とする、という告知がある。

2009年12月 4日 (金)

同人詩誌「青魚」№71

003  僕も参加している同人詩誌、「青魚」の№71を読みおえる。

 といっても、K学さんの詩8編は読んだが、同氏の「断簡集(八)」と題する、86ページにわたる寸言集は読みきれなかった。これはすべて、信仰告白で、妙好人才市の語録のようなもので、K学さんも意識しているのではないかと思われる。

 他にT幸男さんの40編22ページが圧巻である。

 これまで現代文化を批判する詩が多かった。今回は、少年時、若年時を回顧して、自然の衰えを嘆く詩が多いようだ。

 このような力作の中で、T道子さんの「朝を始める」「夏を始める」の純粋さが好ましい。

2009年12月 3日 (木)

「歌壇」2009-12月号

003_2  綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2009-12月号を読みおえる。

 短歌作品をおもに読んで、散文では飛ばしたものもある。

 12月号ということで、幾つかの連載がおわる。

 栗木京子さんの30首連載「青い手帖の旅人」も、今回の「芙蓉の前髪」で最終回である。この連載を中心に、新しい歌集が出るのだろう。

 特集Ⅱの「2009年ベスト百首-十歌人が選ぶ今年の十首」が面白かった。

 今年の秀歌100選として、興味深かった。

 「コスモス」選者の木畑紀子さんが、「からっぽ」12首を寄せている。清新な連作である。

2009年12月 2日 (水)

黄葉2種

002 003  左の写真は、楓の黄葉である。

 新芽の緑も美しいが、晩秋~初冬の黄葉も美しい。

 この木の下方に虚(うろ)があって、観賞価値を高めている。

 右の写真は、公孫樹の黄葉である。

 もう落葉で栞を作ることも、落ち実を拾うこともない。

2009年12月 1日 (火)

大江健三郎「宙返り」上巻

003  大江健三郎の小説「宙返り」の上巻を読みおえる。

 講談社文庫、2002年6月・刊。

 この本は、こま切れ的に間を置いて読んだため、細部の記憶がうすい。

 それには、もう1つ理由があって、「新興宗教による心の救い」というテーマに、僕はほとんど関心がない。

 大江健三郎はこのテーマで何作か、長編小説を書いているが、彼が信仰を持っているわけではないから、奇蹟や瞑想や教義の描写も白々しい。

 彼の「信仰なき者の祈り」という立場は理解するけれども。

 下巻では、彼の小説の読者にはなじみ深い、四国山中の教会での、信者たちの活動が描かれるようだ。

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