「BOOK OFF 二の宮店」へ行き、3冊を買う。
4月29日に同店へ来て、割引券を貰っていたからでもある。
以下に列挙する。
「できるブログ」は、ブログの解説本を2冊読んだが、基礎的な本を読みたかったため。
「いくつもの週末」は、エッセイ集。「赤い長靴」は、短編小説集。
僕は彼女の本を何冊か読んでいて、また何冊かの未読本を持っている。すべて文庫本で。
平成15年、角川書店・刊。
全10歌集、4,322首。
彼女の歌に、元・華族の心構えは感じなかった。
そのような事では、サラリーマンとして、歌人として、成り立たなかったのだろう。
生涯独身を通した事に、プライドを感じないでもない。
この本は「楽天ブックス」を通して買ったのだけれど、新本と思っていたら、古本だった。
後3歌集の歌に、たくさん頭○印が付いていた。100ヶほど、消しゴムで消しながら読んだ。
読書家の方にお願いするのだけれど、傍線引きや頭レ点、頭○印を付けるのは、止めてもらいたい。本としての態を成さなくなる。
どうしても抽出が必要な場合は、付箋を貼って、あとで取っておいてもらいたい。
午後に妻の車、妻の運転で、「福井市橘曙覧記念文学館」へ行く。
市内の足羽山の麓にこじんまりと建つのだけれど、僕は初めてだった。
橘曙覧(たちばな・あけみ)は、江戸時代末期の歌人で、正岡子規が称揚し、またアメリカのクリントン大統領がスピーチで(天皇を招いた宴での)引用し、おおいに盛り上がった(少なくとも福井県では)人物である。
歌業のなかでも、「独楽吟」連作が知られる。
館内の、住まい「藁屋」を1部復元したコーナーでは、縁下から生い出た竹をそのまま伸ばしたエピソードも表わされている。
「図書閲覧室」では、「橘曙覧全集」など、僕も所有している本も、少しあった。
展示室には、橘曙覧、親交のあった領主・松平春嶽の、真蹟が幾つかあった。
福井の橘曙覧・研究家、久米田裕(くめだ・ゆたか)さんの業績を紹介するコーナーもあって、彼の校注した全歌集から入った僕には、親しかった。
向かいにある「福井市愛宕坂茶道美術館」にも寄る。
写真は、双方の栞である。
千葉県に在住の歌人・植野京好さん(「未来」所属)の第2歌集「天に汲む水」を読みおえる。
2002年、砂子屋書房・刊。
1ページ2首組で、カバー図柄とともに、贅沢な造りの本である。三田富子さんと佐伯裕子さんの文による栞がある。
ロマンチシズムの追求はよいのだけれど、まれに意味の取りづらい歌がある。たとえば次の1首。
ひとり来る冬海青き鎌倉に似合うといわれしサングラスして
これは、次のように分けられるのだろう。
ひとり来る 冬海青き鎌倉に 似合うといわれしサングラスして
語順を変えて、わかりやすい歌にならないか。
以下に気に入りの5首を引く。
ポリポリと星かむごとく餌を食む夜更けて犬も淋しくあらむ
解き放つ帯はのたうつごとくにてしがらみ一つ畳に長し
胸ぬちを何のときめき携帯の電話がふいに帯に微動す
薄暗き唐津の壷の紅をエーゲの海の朝焼けに見し
緑濃き野点に朱き毛氈のいつしか眩しき華甲も過ぎぬ
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