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2015年11月の30件の記事

2015年11月20日 (金)

村野四郎「『蒼白な紀行』以後」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、最後の「『蒼白な紀行』以後」を読みおえる。

 今月7日の記事(←リンクしてあり、クリックすれば記事に飛ぶ)、「蒼白な紀行」に継ぐ。

 村野四郎(1901年~1975年)には、「蒼白な紀行」以後に最後の詩集「芸術」があり、これがその詩集に相当するのだろうか。

 彼は1966年春、会社会長を辞し、一切の企業から手を引いた。

 彼の詩には、人生への、詩への虚無感が濃くなる。

 「春」では「死者たちの眼差しが/いたるところに充満しているのに/ぼくを見つめる/一つの眼もない」と盲目の春を嘆き、「春と詩人」では「ほんとうに この病気は超自然だから/そして歌は熱だから 咳だから/けっきょく痰だから」と言い捨てている。

 なおこの「村野四郎全詩集」を贈ってくださった、渡辺・K氏に改めて、深い感謝の意を表する。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月19日 (木)

歌誌「コスモス」12月号

Cimg8614 1昨日(11月17日、火曜日)に、結社歌誌「コスモス」2015年12月号が届いた。

 「本年度後期の歌集・歌書批評特集」では、1冊が見開き2ページで批評され、15冊が取り上げられている。

 僕は詳しく読んではいないが、読んでみたい歌集が少しあり、Amazonで探してみたが、既に新本はなかった。古本でも買うべきか、悩んでいる。

 僕の歌は、半年ぶりの5首選(特選)だった。

 内容は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の11月18日付け記事(←リンクしてある)に、(横書きながら)アップしたので、ご覧ください。

2015年11月18日 (水)

「その一集」「あすなろ集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年11月号の、「その一集」と「あすなろ集」の通常欄(1人3首ないし4首)を読みおえる。

 特選欄は既に、ここで紹介している。

 今「その二集」の台湾と、北海道から南下して新潟県の途中だが、ここで勘弁して頂く。すでに次の号が届いている。

 「その一集」より1首。O・幸子さんの3首より。

認知症の免罪符もつ母なれば本音ぽろぽろ我はたぢたぢ

 本音は相手を困らせる場合がある。でもユーモアを持って対しているようだ。

 「あすなろ集」より1首。I・愛子さんの3首より。

電話線登りつめたる朝顔は何処へ伸びむか空に思案げ

 朝顔を擬人化するだけでなく、朝顔の様から人間を思っているようだ。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月17日 (火)

公孫樹の黄葉と鉢物類

Imgp1193

Imgp1198_2  先日、庭に出ると、公孫樹の黄葉が散り始めていて、急いで道路に出て、黄葉の雄姿を写真に撮った。

 去年と同じ位置よりである。もちろんトリミングしてある。

 銀杏の落ち実は、もう無いようだ。

 これも先日、軒下の鉢物類を、寒さに備えて軒下より、内玄関へ取り込んだ。20鉢くらいだろうか(右の写真)。万両1鉢は、靴箱の上に置いてある。

 この秋は暖かい日が続いており、取り込みはもう少し後日でも良かったかも知れない。

 無事、冬を越してもらいたい。

 

2015年11月16日 (月)

2015ふくい詩祭

Imgp1216  昨日(11月15日、日曜日)の午後1時半より、Aossaビルの「ウェルアオッサ」にて、「2015ふくい詩祭」(主催・福井県詩人懇話会)が催され、40名近い詩人が参加した。

 富山県、石川県からの、数名ずつの方を含む。

 半田信和さんの司会のもと、福井県詩人懇話会代表・渡辺本爾さんの開会挨拶、3名の詩人の自作朗読、2人によるギターの連弾(6曲か)があった。

 研究発表として、前・福井大学教授の越野格さんによる「山川登美子の出発期」がなされた。「明星」第2号に初めて載った山川登美子の短歌が、鉄幹による「文庫」からの転載ではなく、登美子が2、3の歌誌に同じ短歌を投稿していた故と考えられると、発表した。他にも幾つかの知見が示された。

 シンポジウム「詩にうたわれた北陸の風土と生活」では、パネリストの野海青児さん(富山県)、砂川公子さん(石川県)、金田久璋さん(福井県)が、千葉晃弘さん(福井県詩人懇話会)のコーディネイトのもと、北陸の風土と歴史に根差しつつ、世界へ向けて詩が書かれねばならない事が語り合われた。

 福井県詩人懇話会・副代表の佐野周一さんの挨拶で閉会した。そのあとの懇親会(パーティ)には、僕は参加しなかった。

 なお写真は、シンポジウム時のもので、早退した2、3名、受付に残った1名、報道関係者2名、そして撮影の僕が撮られていない。

2015年11月15日 (日)

Kindle版「立原道造詩集」再読

 先の10月14日の記事(←リンクしてある)の通り、Kindle版「立原道造詩集」を読みおえ、そのままタブレットに残して、先日に再読了した。

 10インチのタブレットの横長1面に1編のソネットが収まるので、読みやすく、味わいやすい。

 僕の好きな1連は、「午後に」の初連であり、以下に引用する。

ある日 悲哀が私をうたはせ

否定が 私を酔はせたときに

すべてはとほくに 美しい

色あひをして 見えてゐた

 彼は「夢見たものは……」の初め2行で、「夢見たものは ひとつの幸福/ねがつたものは ひとつの愛」と素直にうたっており、24歳の短い生涯で、それらは得られたのだろうか。

 これからもこの本を読み続けて、ここで報告したい。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月14日 (土)

詩誌「果実」73号

Cimg8611 11月7日の「『渡辺本爾詩集』出版記念会」(記事は11月8日付け)のおり、詩誌「果実」の発行編集者のT・篤朗さんが、同誌73号を下さった。

 同誌72号については、今年4月9日付けの記事(←リンクしてある)で紹介した。

 N・明徳さんの「秋」「ナス」、F・則行さんの「秋の小さな花物語」の総題のもとの「きんもくせい」「しゅうかいどう」に興を惹かれた。

 修辞、心理描写に走らない、生活詩である。F・則行さんの2編には、フィクションが混じる(詩的真実)かも知れないが。

 T・篤朗さんは、5編を寄せて、創作意欲旺盛である。ただし感性の上昇化、「白いのぞきと色絵の皿と」の俗な1面、「安保」の政治との対決など、危惧を持って読んでいる。彼は安心な詩境に到り着けるだろうか。

2015年11月13日 (金)

若山牧水「みなかみ」

 Kindle本「若山牧水大全」より、第6歌集「みなかみ」を、タブレットで読みおえる。

 今月3日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「死か芸術か」に継ぐ。

 原著は、1913年(大正2年)、籾山書店・刊。506首。

 牧水は父親重体の報を得て帰郷し、やがて父が亡くなる。1家でただ独りの男子の牧水に、1家の生活がかかるが牧水に方策はなく、苦悶懊悩の中に成された作品である。

 作品は、破調というより乱調の歌がほとんどで、定型の歌を見つけるのが難しいくらいである。その定型の歌より、以下に6首を引く。

草山に膝をいだきつまんまろに真赤き秋の夕日をぞ見る

父よなど坐るとすればうとうとと薄きねむりに耽りたまふぞ

おお、夜の瀬の鳴ることよおもひでのはたととだえてさびしき耳に

やうやくに馬の跫音のきこえきぬ悲しき夜も明けむとすらし

斯くばかり明るき光さす窓になにとて悔をのみ思ふらむ

酒の後、指にあぶらの出でてきぬ、こよひひとしほ匂へ朱欒よ

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

2015年11月12日 (木)

奥華子「good-bye」

Cimg8605 先日にAmazonマーケットプレイスで買ったCD(中古)、奥華子6thアルバム「good-bye」の、2回めをステレオ・セットで聴きおえる。

 今年8月2日の記事(←リンクしてある)で紹介した、5thアルバム「うたかた」に継ぐ。

 1曲めの「ロスタイム」に小さな雑音が入り声も悪いので、キズがあるかも知れない。その他は、帯付き、付属品あり、だった。

 全14曲。写真はジャケットの表である。

 僕は彼女の歌に、得恋の「魔法の人」(2006年シングル)より入ったので、彼女に多い失恋の歌にはもう1つである。

 バラード調の「サヨナラは言わない」、リズミカルな「TAKOYAKI」に興が惹かれた。

 「悲しみだけで生きないで」が、3・11震災を曲にした歌として優れていると思う。

2015年11月11日 (水)

大場白水郎「散木集」

 角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、4番めの句集、大場白水郎「散木集(さんぼくしゅう)」を読みおえる。

 先の10月18日の記事(←リンクしてある)、森澄雄「雪檪集」に継ぐ。

 原著は、1954年、俳句研究社・刊。

 大場白水郎(おおば・はくすいろう、1890年~1962年)は、1946年に中国より引揚帰国、一時は会社社長、のちに名誉会長となる。この巻の前3俳人とは異なっている。

 この句集は、戦前の句集等から252句、1947年~1950年の84句を、併せ収めている。その意図はわからないが、そののち作品集はなく、最後の句集となった。

 以下に5句を引く。

雪の日の鷗飛ぶなり茅場町

もてなしの焚火かこむや雪催ひ

早春や欅二本を門とせる

輪飾や焼けのこりたる家暗く

浅草に生れて住まず草の市

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、林檎の1枚。

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