先日、兵庫県にお住まいのS・陽子さんが、お便りとともに、同人詩誌「アリゼ」第158号を送ってくださった。
昨年11月14日の記事(←リンクしてある)で、同誌157号を紹介して以来である。
2013年12月末・発行。
詩20編、詩集評を含む評論6編、エッセイ8編を収める。
同人30名+寄稿者、隔月刊だと、執筆も大変だが、編集など事務方も大変だろうと察する。
詩想は明るいものが多いように感じられて、かえって時代の危機を表わしていると思われる。
「福井詩人会議・水脈」の事務方、T・健隆さんが、詩誌「水脈」49号を送ってくださった。
S・周一さんが椨(たぶ)の老大木をうたった「忘れられない木」、中野鈴子・研究を一段落したI・信夫さんが亡き妻を偲ぶ「烏」など、ベテランの活躍がうれしい。
善良な素直な書きぶりの作品が多い。作品の高評価を得るには、1考が要るのだろう。
次号の節目の50号を越えて活躍しようと、意気さかんである。
I・冴子さんの4編より、「金木犀」の終り2連を引く。
金木犀
I・冴子
(前略)
花の香りは
施設で暮らし始めた
母のもとへも届くだろうか
開く幅は 手のひらほどの
そんな窓の 母の部屋にも
懐かしい香りは 届くだろうか
兵庫県・在住の詩人をおもな同人とするが、関西在住の方のほか、埼玉県、和歌山県に在住の方もいる。誌末の名簿に拠ると、同人30名、寄稿者2名である。
隔月刊で、粘り強い歩みを続けている。
目次の題名を見ると、キャッチーな題が多い。「カワラヒワが」「今を編みながら」「夕焼けいろの小ガニ」「ドーナツ考」「パズル」「相対性理論」等々。
2020年の東京オリンピック開催決定に触発されたのか、1964年東京オリンピックに触れる、T・和美さんの「十四歳」、M・真由美さんの「阪南横丁」がある。僕は田舎の少年で、建設ラッシュなど知らなかった。
F・優子さんの「夢の証明」が、夢の感覚をリアルに描いている。最後の5行を引く。
夢の証明
F・優子
(前略)
たぶん わたしたちが生きていくために
殺された感情や言葉の死骸が
昼間閉ざされた夢の通路に転がっていて
夜になると たったひとりの観客のために
淋しいショーを始めるのだろう
僕のアメブロ「新サスケと短歌と詩」の、2012年10月31日の記事(←リンクしてある)にソネット「渋る」で取り上げた題材である。
1冊に2歌集ずつ完本で入っている、お買い得の本だが、感性が買うことを渋る、と書いた。
1ページ2段、1首2行書き、活字は小さいが、致し方ない。
Amazonのページに「在庫1冊あります」「ご注文はお早めに」のように書いてあって、焦りもしたのだが、あとのページで「入荷予定あり」とあって、「煽るなよ」と思った事だった。
小池光は僕より3歳年上で、大学研究科を卒業し、就職・結婚して、外面上は順調に生活して来たのだった。
兵庫県・在住の詩人、S・陽子さんよりお便りを添えて、同人詩誌「アリゼ」第157号が送られて来た。忝い事である。
「コスモス短歌会」より、「第十一宇宙花」が届く。5年ごとに発行のアンソロジーである。「自選歌集」1659名、「物故会員作品抄」136名、各5首ずつの掲載である。他に「コスモス叢書一覧」「コスモスの賞一覧」等。
鯖江市の詩人、T・晃弘さんより、同人詩誌「青魚(せいぎょ)」No.79、10冊が送られてきた。僕はソネット2編を載せてもらっており、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」(このブログのリンク集にある)で追いおい発表したい。
Amazonのマーケットプレイスに注文した、日本エッセイスト・クラブ編「’08年版ベスト・エッセイ集 美女という災難」が届いた。このシリーズの「’07年版」まで、25冊を取り上げて来たので、拙い感想を再開したい。
最近のコメント