カテゴリ「詩集」の190件の記事 Feed

2011年11月30日 (水)

有馬敲「転生記」

Cimg5499 僕のソネット詩集「光る波」を、あちこち(選び方は内緒)に贈らせてもらっている。

 そのお1人、京都府に在住の詩人、有馬敲(ありま・たかし、1931年・生)氏が、詩集「転生記」をメッセージと共に、送って下さった。

 1993年、編集工房ノア・刊。

 詩集「終りのはじまり(1973年)」、「迷路から(1977年)」、「白い闇(1981年)」の3冊を合わせた、全651ページの大冊である。

 収められた459編のうち、ほとんどがソネット形式の詩である。大先輩から拙い後輩への、励ましの1冊だろう。

 なお僕は彼の詩集では、ここにも収められた「白い闇」を2010年1月8日に、「島」を2010年1月6日に、それぞれ読了し、このブログで紹介している。

2011年11月29日 (火)

「世界詩人全集」第22巻

Cimg5495 「世界詩人全集」全24巻より、第22巻「現代詩集Ⅲ ドイツ ソヴェト」を読みおえる。

 新潮社、昭和44年・刊。

 箱、帯、月報、本体にビニールカバー。

 今年9月25日に、第21巻を紹介(記事 あり)して以来である。

 ドイツとソ連の詩人17名の、それぞれ数編が載る。

 今は作品が書かれてより、約半世紀を経ており、政治(多くの国の社会主義崩壊を含む)、社会(経済、科学を含む)が激変している。

 第二次大戦下に迫害されたユダヤ人、ソ連の反体制詩人、それらの詩は重要だが、僕の内的外的変化もあって、切実には訴えてこない。

 現在の外国詩人の作品も、ほとんど読んではいない僕であるけれど。

 

2011年11月 9日 (水)

「前川幸雄詩集」

Cimg5461
 県内にお住まいの前川幸雄氏が、「前川幸雄詩集」を送って下さった。

 土曜美術社出版販売、2011年10月・刊。

 新・日本現代詩文庫91、ビニールカバー(写真では反射光を避けるため、外してある)。

 これまでの5詩集全編、未刊詩篇、エッセイと、6氏による解説を収める。

 氏は、国学院大学院博士課程・卒後、福井高専、福井大学、上越教育大学、仁愛大学・等で教え、教育・学問の大道を歩んだ。

 また福井県詩人懇話会の初代事務局長として、設立当初の苦労を担い、実務力を発揮した。

 また「西安の詩人たち」、張虹「赤 わたしのカラー」他、数冊の現代中国詩邦訳集を上梓した。現代中国詩邦訳の先駆者だと、僕は思っている。

 氏のこれまでの全詩集を読むのが、楽しみである。

2011年11月 6日 (日)

「詩集ふくい 2011」

Cimg5455
 福井県詩人懇話会の年刊アンソロジー詩集、「詩集ふくい 2011」を読みおえる。

 2011年10月、福井県詩人懇話会・発行。

 62名が68編の詩を寄せる。

 県内の俳句の年刊アンソロジーは、数百名なので、それらにくらべると少し淋しい。

 新しい人、若い人の参加もあるので、それらは嘉すべきである。

 第27集とあるので、発会以来の参加者には、重みがある。

 僕は既発表のソネット、「背景」を寄せた。

 T晃弘さんの「水辺の回想」が美しいので、以下に初めの2連を引用する。

水辺の回想

     T晃弘


あの白鷺は新庄の伯母ちゃん

浅瀬にしゃがんでいるのがうちの母

いま 一羽 飛んできたのは

母の妹の富ちゃん


日野川の大橋の下は

六月の日差しをさえぎって

涼しい風が流れている

     (以下、略)

2011年10月31日 (月)

立石百代子「温もり配達人」

Cimg5431
 福井県に在住の詩人・立石百代子(たていし・もよこ)さんが、詩集「温もり配達人」を送って下さった。

 2011年10月、能登印刷出版部・発行。

 「新・北陸現代詩人シリーズ」の1冊として。

 彼女は、「詩人会議」、「福井県詩人懇話会」、「山吹文庫」、「敦賀文学会がるつ」、各会員。

 戦中戦後の苦しい時期を描いた「小さな村で」「兎と少女と三角の海」、夫と二人子との一場面を採った「輝いた日」、父母と夫を送り子供たちの巣立ったあとの一人暮らしを描いた諸編、病気や高齢はありながら、温かい心を保ちつづけて、お裾分けする1冊である。

2011年10月30日 (日)

青山雨子「白い地図」

Cimg5426
 福井県に在住の詩人・青山雨子(あおやま・うこ)さんより頂いた、彼女の第3詩集「白い地図」を読みおえる。

 2011年10月、書肆山田・刊。

 ハードカバー、紙ジャケット、帯。

 とても高度な詩である。リアルな、あるいは想像上のかけらを並べて、語ってゆく。

 芸術の美によって、読者に感動を与えようとすると、かくも隘路を通らねばならない。

 僕は、笑いや、しみじみほのぼの路線(良く言って、癒し系、和み派)を行ってしまいがちである。

 日本の中央詩壇でも、彼女を高く評価する詩人が多い。

2011年9月25日 (日)

「現代詩集Ⅱ アメリカ イギリス」

Cimg5326
 「世界詩人全集」(全24巻)より、第21巻「現代詩集Ⅱ アメリカ イギリス」を読みおえる。

 新潮社、昭和44年・刊。

 箱、帯、本体にビニールカバー、月報あり。

 正直、本集の詩の良さが、あまりわからない。

 わかった事として、アメリカの詩の伝統らしいものがある。おおらかで雄大であり、ちまちました所やうじうじした所がない。

 e.e.カミングス(アメリカ、1894~1962)のユーモアを含む詩に、僕は惹かれる。翻訳者の藤富保男も詩人で、彼の詩も以前に好んだものだった。

2011年9月22日 (木)

「立原道造詩集」

 今年7月26日の「電子書籍化」の記事で紹介した本の内、8月3日の高見順・詩集「死の淵より」(記事 あり)に続き、「立原道造詩集」を読みおえた。

 原著は、角川文庫、昭和34年・17版。

 中村真一郎・編、総216ページ。

 読みながら新しく気づく事も幾つかあったが、メモを取らず、もう忘れてしまった。

 批評のために読むのではなく、彼の世界にしばし浸って、心を憩わせるために読むからである。

 夭逝した詩人たちの作品は、なんと清しいことだろう。

2011年9月14日 (水)

「現代詩集Ⅰ フランス」

Cimg5305 「世界詩人全集」第20巻、「現代詩集Ⅰ フランス」を読みおえる。

 新潮社、昭和44年・刊。

 箱、帯、本体にビニールカバー、月報あり。

 今年8月1日の記事で、第19巻を紹介して以来である。

 この本には、第一次世界大戦中より第二次世界大戦後にわたる、フランスの13詩人の詩業が収められる。

 僕にはそれらの詩の良さが、あまりわからない。

 古典と呼ぶには新しく、現代詩と呼ぶには古い(発行当時は、新しかったのだろう)。

 アンドレ・ブルトンの「自由な結びつき」は、シュールリアリズムの詩の、最高の達成だろう。

2011年8月29日 (月)

山本博道「光塔の下で」

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 詩誌「群青」の同人仲間であるAUさんより借りた、山本博道(やまもと・ひろみち)・詩集「光塔(マナーラ)の下で」を読みおえる。

 もうひとりの同人、こぐま星座さんより、勧められた。

 詩集は、アジアの場所(ベナレス、シギリア、台北、ダッカ、バンコク)を巡る行分け詩編と、認知症気味の母親を描く散文詩が混じる。

 アジアを巡って何をしようというのか、老耄の母親をどうしようというのか、つまりなぜ詩に書こうとしたのか、僕にはわからない。

 言葉で説明されなくとも、エモーションとして伝わるものがない。

 最初の詩「ベナレス」より、一部を引用する。

        ベナレス

             山本博道

       (前略)

雨、雨、雨がぼくの頭にぼくの顔に

そしてぼくの肩に全身に

辺り一面薄暗いまま

ガンジス川にも雨、雨雨、雨

やがて小舟は向きを変え

いくつものガートをこんどは左手にする

右手奥の岸向こうは相変わらずの雨に煙り

      (後略)

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